介護はロボットに任せるべき――。
そんな意見を耳にすることがあります。
介護者の身体的負担を解消するために、ロボットの開発・導入は一つの選択肢として有効ですね。
しかし、そうなると介護職の雇用の先細りが危惧されます。
ロボットに仕事を奪われたくないと思う人は少なくないでしょう。
その結果、「ロボットには温もりがない」とか「臨機応変に対応できない」などのネガティヴキャンペーンが起こります。
今後、ロボットと雇用がどうなっていくか分かりませんが、最新技術というものは浸透するまでに時間がかかると思います。
かりに、温もりがあって臨機応変に対応できるロボットが開発されても、しばらくの間は経済的に余裕のある一部の事業所でしか導入されないと考えられます。
そんなロボットが当たり前に普及するのは、まだまだ先のことであり、今の現役世代は既に引退しているはずです。
その頃には、介護は基本的にロボットがやるものとする考え方が一般的になっていて、「ロボットに仕事を奪われる」という発想すら無くなっていることでしょう。