乙武洋匡さんが体験した「入店拒否トラブル」をご存じでしょうか?


2013年の出来事です。



当時、私は哲学を学ぶ学生で介護未経験であり、介護への関心も薄かったです。今では介護の経験も関心もあるので、より明瞭に判断できます。

まず、車いすユーザーは入れる店が物理的に限られてしまうので、普段から店選びに苦慮していることが多いです。これはバリアフリー化を進めていくしかありません。

次に、車いすユーザーが予約した店が車いすでは入れない店だった場合、事前の確認が無かったとして店員が怒り出すのはおかしいですね。車いすユーザーに限らず、店を訪れた人には常に丁寧に接するべきです。

あと、車いすユーザーを抱えて階段を利用するのは危険なので行うべきではありません。抱える人が一人であれ複数であれ、車いすごとであれユーザーのみであれ、落下事故のリスクが大きいので介護の現場では通常しないです。ましてや、慣れていない人に頼むべきではないでしょう。

階段以外でも、車いすごと利用者を抱えることは基本的にありません。利用者のみを抱えて移動することはありますが、1〜2歩程度の距離にすべきですね。

ちなみに、車いすのみを抱えることも介護の現場では無いです。電動であれ手動であれ、車いすを持ち上げるのは破損やケガにつながります。



結局のところ、バリアフリー化が中途段階の社会では、トラブル回避のためお互いに「事前の確認」をしたほうが良さそうです。しかし、それは車いすユーザーの義務というより、そうせざるを得ない状況を社会が当事者たちに強いているのです。

義務と言うならバリアフリー化こそ、社会の義務でしょう。