「睡眠」今更の素朴な疑問から(5)「生体リズム」 | 人と触れ合う大切さを伝え、こころ豊かに生きる。

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今回は、概日リズム以外の生体リズムについて。

 

今日7月24日は、満月である。

月を愛でる月見という行事もあるが、満月の日は、心身ともにさまざまな影響が表れることはよく言われることである。

満月の日は、事故や事件が多くなるという統計上のデータからも、満月の日は感情が高ぶりやすく、衝動的な行動を起こしやすいと考えられている。

一方で、神経を消耗したり注意力が落ちるということも言われている。

 

約1日周期の生体リズムを概日リズム(サーカディアンリズム)は前回までの内容であるが、生体のリズムは、1日だけに限らず、半日や1週間、1カ月のリズムもある。

日本では、1年に四季の変化があり、ホルモン分泌も春夏と秋冬では異なるが、ヒトの睡眠に季節リズムがみられることが報告されている。

 

■概半日リズム

午後の眠気は、全世界で共通して認められているようだ。

昼食後の昼寝を習慣とする国もある。

昼食をとったことが眠気の原因と考える人は多いが、昼食を抜いた場合でも午後には眠気が高まるようだ。

一日の中で一番眠気が強いのが、早朝の最低体温付近である。午後の眠気はちょうど、半日後に生じることから、ヒトには半日周期のリズムが存在するのではないかと考えられている。

早朝と午後に、居眠り運転の事故発生時刻と一致していることが調査などで分かっている。

 

■1週間のリズム(サーカセタンリズム)

内因リズムかどうかは、明らかになっていないようだが、男性ホルモン代謝産物からは、週のはじめは分泌量が少なく、週の半ばに増大し、再び週末に向けて現象するという週リズムが見られるという。

一方、カレンダー通りの仕事をしている人は、月曜日の朝が憂鬱になることからブルーマンデーと言われている。

休日中に生活のリズムが崩れるとやはり週明けの朝は、起きるのが億劫になる。

総務省の調査では、平日に比べて土曜日では28分間、日曜日では36分間

起床時刻が遅くなっているという結果が出ている。

休日前に寝るのが遅くなると、体温リズムにも変化が現れ、翌朝は目覚めにくいということが起こる。

週明けは、週末の生活リズムと生体リズムのズレが生じた状態で活動をしようとするから憂鬱な気分になるということのようだ。

365日生活リズムと生体リズムがズレないように生活しているとブルーマンデーという現象は起こらないということになるのだろう。

 

■1カ月のリズム(概月リズム)

約1カ月のリズムで、ヒトでは月経周期がこれにあたる。

約28日の月経周期で、月経開始の約14日後に排卵が起こる。

これに伴って、体温も1カ月中では0.3~0.4℃変化する。

 

■1年のリズム(概年リズム)

1年のリズムは、四季の変化によって生じる季節リズムとは区別される。

動物の中には、冬眠などがあるように、ヒトの睡眠にも季節リズムがあることが報告されている。

日照時間が短くなる冬では、睡眠時間が長くなり、メラトニンの分泌リズムも後退するようだ。

季節性感情障害では、うつ症状が秋から冬にかけて発症し、春から夏にかけて寛解するという季節変動があることから、日照時間に関係があると言われている。

 

生活リズムを一定に保つということは、なかなか難しいことではあるが、生体リズムを知ることで、不調を感じる前に自分の体に起こっていることが少しでも理解できるかもしれない。

 

写真は、18時を過ぎて撮影したもの。

19時を過ぎてもまだまだ明るい。

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【前回までの記事】

「睡眠」今更の素朴な疑問から→ こちら

「睡眠」今更の素朴な疑問から(2)→こちら

「睡眠」今更の素朴な疑問から(3)「概日リズム①」→こちら

「睡眠」今更の素朴な疑問から(4)「概日リズム②」→こちら