に注目して映画を観たら

なにが見えてくるかな?

 

 

Presented by やまなか たかえ

けあトーク 心理カウンセラー

 

 

 

 

 TODAY'S
 
グランツーリスモ

 

 

 

 

  STORY ストーリー

 

レーシングカーゲームに情熱を注ぐ青年。

高い技術力と熟達した知識を持っていた。

 

彼がプレーしていたのは、日産が創ったレーシングカー・シミュレーションゲーム。

車体の細部から走行コースにいたるまで、本物を徹底的に再現して精巧に作られていた。

 

青年の夢は、プロのレーサーになること。

しかし、父親は彼の「非現実的な」夢に反対していた。

 

ある時、日産が突飛な企画を打ち出した。

ゲームの成績上位者に、プロになるチャンスを与えるというものだった。

 

青年は、世界中から選りすぐられたプレーヤー達を勝ち抜いてトップになり、プロになる夢を果たした。

実践のレースでは「ゲーマーの素人」と罵られながらも、メキメキと順位を上げていった。

 

順調に思えたのだが…。

 

ある時、死傷者を出す大事故を起こしてしまった。

 

青年は一命をとりとめ、傷も完治して復帰した。

ところが、事故の記憶がトラウマとなり、以前のようにのびのび走ることができなくなってしまった。

 

夢とプライドをかけた今期のレースは、まだ残っている。

 

果たして、青年のレーサー人生はどこに向かっていくのか…!?

 

 

 

  POINT 心理学ポイント

 

失敗体験→トラウマ

トラウマとは、過去の大きなショックや恐怖体験から、心に負った傷のことです。

長期間、関連する場面や日常生活において影響を及ぼします。

 

青年は、大事故がトラウマになっていました。

過去を再現するかもしれないという恐怖から、レースに集中できなくなりました。

 

打開したのは、レース中にインカムから聞こえてきた指導者の言葉と、聞き慣れた曲でした。

指導者が、青年のお気に入りの曲を勝手に流したため、青年は怒りを覚えました。

 

結果的に、自分を取り戻してレースに集中することができました。

 

 

 

【青年のトラウマ克服法:まとめ】

 

 

曝露療法(エクスポージャー法)

トラウマの原因となった環境をもう一度体験し、

克服する体験によって記憶を上書きする(トラウマを消す)方法です。

 

 

感情の移行

人は、同時に2つ以上の感情を体験することはできないと言われています。

これを利用して、「不安」→他の感情へ移行することが可能です。

 

恐怖や不安を感じた時は、心の中で、他の感情のきっかけを見つけてみてください。

例:人前でスピーチが怖い→怒りへ

→なんでこんなに混んでいるんだ!

 字が小さくて読めないぞ!など

 

即効性があり、一時的に不安感を消すのに有効でしょう。

ただし、根本的な解決策にはなりません。

 

また、例えば「怒り」の移行を習慣化させると、不安な時はすぐに怒る「怒りん坊さん」になる可能性があります。

 

「恐怖・不安」といった感情を放っておくのは、長期的には健全な方法とはいえません。

あとで落ち着いた時、「自分にとって安心・安全な環境」になった時に、恐怖・不安と向き合い、原因から解決することをお奨めします。

 

 

 

不仲な父子関係

父と息子が不仲なケースは、しばしばあります。

本作の青年もそうでした。

 

その理由を、エディプスコンプレックスから解釈してみましょう。

 

 

 

エディプスコンプレックス】

   

 

男児が父親に対して抱く葛藤のこと。

S・フロイトが提唱しました。

 

男児には、母親を独占したい欲求があります。よって、父親に強い対抗心を抱きます。

しかし、父親には敵いません。ここで葛藤が生じます。

 

そのまま成長するに従い、

絶対的な存在である父親のことを畏れ、尊敬するようになります

 

母親へ向いていた愛情は、他人へと向くようになり、

葛藤は、成長と共に消えてゆきます。

※不健全な家庭環境や心の発育に偏りがある場合は、成長しても様々な支障が残ります。

 

 

エディプスコンプレックスがあるが故…

↓↓

 

つまり男性は、「尊敬する父親に認められたい!」と、強く望むようになるのだと考えられます。

 

尊敬する父と同じ道を歩みたい…

認めてほしい…

誇りに思ってほしい…

 

このような気持ちから、本作の青年も、息子なりに考えて頑張ります。

父のためにプロのレーサーになることを夢見て、ゲームに本気で全力で取り組んでいました。

 

けれど、父親は断固反対していました。

「ゲームばかりして!現実を見ろ」と、

認めるどころか、否定していました。

 

このようにして、父子の間には、解り合えない壁がありました。

 

壁が崩れたのは、息子がプロのレーサーになってからでした。

父は「息子は誇りだ」と認め、

息子は「ずっと父を慕ってきた、父のためにレーサーになる夢を持った」と明かしました。

 

 

 

【本作の父子から学ぶ…】

 

 

父子の関係の改善を望む場合は、

まずは、父が息子を認めることから始めるとよいかもしれませんね。

 

息子がどのような状態であるにしても、

息子は常に、父親に認められたい一心で生きています

 

結果が実を結ばないかもしれない

頑張る方向が間違っているかもしれない

親の望む結果じゃないかもしれない

 

それでも、息子の原動力となるのは、父親に認められたい気持ちです。

 

息子は、いつでも父親に認めてほしいのです。

 

 

どうか、認めてあげてください。

結果ではなく、彼の頑張りを。想いを。

そして、彼の「存在」を。

 

 

 

 

  RECOMMEND おすすめ!

 

夢がある

夢を追うことは、無駄ではないと感じさせてくれる、

極めたら先に”何か”あると、夢をみさせてくれる、

 

そんなお話でした。

 

でもこれ、実話なのです!

 

日産は、車が実用の手段と化した今の時代に、

もう一度、車の「夢」を投げ込みたかったようです。

 

日産の思惑通り…かな、

私も、まだまだ夢を、見つけたくなりました照れ

 

 

レースの描写がすごい!

臨場感、緊迫感、迫力、グラフィックの精巧さ、素晴らしいです。

レースシーンにめちゃくちゃ力を入れた感じが伝わってきます。

 

レースシーンは目が離せません!

 

 

 

  映画好き心理カウンセラー

幼稚園の時の夢は、看護婦さんでした。

大きくなるにつれ、「夢は猫になること」に変わっていったな…

 

けあトーク 心理カウンセリング(対面・オンライン・電話)所沢・東村山周辺|けあトーク (caretalk.online)

 

 

 

やまなか たかえ

依存症・摂食障害・ひきこもり・他…克服して心理カウンセラーとして活動中

プロ―フィールはこちら