ニルヴァーナ(涅槃)

 その後にゴータマに訪れたのが反動であり、最終的な勝利すなわちニルヴァーナへの到達である。これは、賞揚、至福、内省、利他主義の心的状態として、一律に記述されている。異なる経典が、この状態の、いわば異なる相、異なる面を強調している。しかしこれらは、これを、意志、感情、知性が平等に関与する、精神と徳性の全体が一度に起こした大変動であると見なしている。したがって、ある経典(「マハーサッチャカ経」)は、四つの歓喜と三つの形の知識を強調する。反対に、別の経典(「双考経」)は疑いの欠如に、また別の経典(「怖駭経」)は恐怖と動揺の克服に、別の経典(「聖求経」)は彼が到達したニルヴァーナの至福と安全に重点を置いている。