俺は怠け者の自覚がある。
休みの日は寝る。とにかく寝る。
動くときは食事とトイレに行く時。
これはもうナマケモノを自称して差し支えないのではないだろうか?
が、本家ナマケモノ師匠は凄まじかった。
ナマケモノは1日中木にぶら下がっている。
鋭い爪は木にぶら下がる時に引っ掛けるためのものだし、寝てる時自然と指が引っ掛かる形になるようにできている。
1日の内、15時間~20時は眠っている。
さすがにお腹は空くと思うが、ナマケモノの食事量は1日8g。葉っぱ一枚あればいいのだ。
葉っぱ一枚で足りるんか?って話だが、その葉っぱ一枚を30日かけて体内の微生物に分解してもらう。
自分で消化してないんかい!どこまでナマケモノなんだ。
しかし、その日に食った食料がエネルギーに変わるのに1ヵ月もかかってしまう。なのでナマケモノは腹の中パンパンに葉っぱが入っていても餓死することがある。
餓死したくないのでエネルギー効率は押さえないといけない。
ゴリラみたいにムキムキボディになってしまったら基礎代謝だけで死んでしまう。
ナマケモノはニコニコした可愛らしい顔をしているのは、単に表情筋がないのでダルンダルンなだけなのだ。
ナマケモノの筋肉量は30%程度。ちなみに40代男性の筋肉量は34%程度である。これは平均値なので俺はもっと少ないだろう。また一歩ナマケモノに近づいてしまった。
食ったら出さないといけないのは世の常。それはナマケモノと言えども例外ではない。
しかしいくらナマケモノとは言え、師匠は木の上から垂れ流すような粗相はしない。
わざわざマイホームの木の根元に排泄する。
排便の頻度は2,3週間に一度。
何でいちいち地上に降りるのか、諸説あるが無駄なことは一切しないナマケモノ師匠が行うことである。何かしら重大な理由があるのだろう。
さて、師匠にとっての試練到来だ。
ナマケモノの移動速度は時速16m。マジで超遅い。
師匠の生活する熱帯の森には当然肉食の捕食者がウヨウヨしとるのです。
なので、師匠の死因の50%はう〇こ中に喰われて死ぬこと。
排泄中は無防備になるのは他の生物でも同じこと。俺ら人間もジャングルでサバイバルしてたら危険行為なんですってよ。
さすがにその気になればナマケモノ師匠も多少早く動けます。時速120mくらいには・・・超遅い。
それも仕方のないこと。
ナマケモノ師匠は排熱できない。
超低燃費なので自分で体温調節なんでできない。
寒かったら日向ぼっこして体温上げることしかできない。震えて体温上げるなんてそんな機能付いちゃいないのだ。ほとんどトカゲである。
なので体温上げ過ぎたらその熱で死にます。
う〇こ中に運悪く捕食者に襲われたらナマケモノ師匠の取る行動は一つ。
せめて苦しまないように全身の力を抜いて死を受け入れるのです。悲しいねバナージ。
段々ナマケモノ師匠が怠け者ではなく修行中の仙人のように思えてきました。
戦う道を選ばず、一人憲法9条を実践する漢。やられる時は潔く死ぬ。ここまで徹底すれば立派なもんです。
こんな生活しててよく絶滅しないなと思いますが、動かないということは天敵から狙われにくいと言う事でもあります。
高い木の上で生活する師匠にとって、一番の天敵はタカやワシといった猛禽類です。
しかし動かない師匠は見つからずにやり過ごすことができます。
・・・・・・と言うのは、師匠サイドの考えであって・・・
『実際はとっくに見つかっていて、いつでも捕らえて食べられる非常食扱い』と、とある研究者は言ったそうな。
やめてやれ。さすがに可哀想すぎるやろ!
一見優雅な引きこもり生活のように見えるナマケモノ師匠だが、実はスペランカー並のオワタ式人生。命がけのかくれんぼで見つかったら即ゲームオーバーの人生ハードモードなのです。
しかし絶滅することなく生きてきたナマケモノ師匠はやはり凄いのだ。
(補足)
ナマケモノ師匠には苔や藻が体に生えたりします。あまりに動かないので。
しかしこの苔は葉っぱ食うより断然栄養価が高い。時々毛づくろいのついでに収穫します。師匠は自分の身体で実は農業もしてるんですよ!
仙人兼業農家ですよ。凄いですね。
いやー苔むしてますね。豊作やぁ
実はナマケモノ師匠は泳ぎが得意みたいです。
地上を這うよりは・・・ですけど。
単純に体重が軽い上に、腹の中で葉っぱ分解してるからガスが溜まって水に浮くらしい。
水陸両用。嫌いじゃないです。