過去にレストアしたストーブの記事をまとめて投稿してからは

最近では年に1,2件のレストアをコンスタントに続けています。

今回登場するのはつい先日に例の大阪の知り合いからまたしても譲りうけた個体。

こちらはebayで購入した物なのだとか、海外から取り寄せるほどに彼もまた

ストーブに嵌っている様です。 

他のストーブとまとめて送ってもらった物のひとつで、お目当ての

古いタイプではないので譲っても良いとのことでした。

100ユーロ位(16000円)で良いと言います、 

ここでまたいつもの”変態ストーブ好き”が出てしまい、

見た事も無いこんなストーブを購入してしまいました。

もう一つの問題はどういう構造になっているのか不明なのだそうで

購入した本人は壊れている可能性が高いと言っています、はたして・・。

 

早速届いたDemonストーブ、どこにも型式等の表記はありません。

製造年などは不明ですがたしかに新しい、サッと埃をかぶった程度にしか見えません

ネット検索すると過去に日本でも3件ほど販売された例があるようです。

写真を拾ってみると、このストーブの上にさらに帽子のようなカバーが付くらしい。

残念ながらこの個体には欠品しています。 

 

ネットの写真の物から更に新しくなっている様子で内部の2次燃焼筒の形状が若干

違っています。 それから琺瑯の質もやや薄めな感じです。

初販が70年代頃、それから90年台まで製造販売が続いたモデルでは

無いかと想像しています。

それにしても綺麗、ほとんど使用されて居なかったであろう事が伺い知れます。

 

こちらは2次燃焼筒、琺瑯引きが綺麗です

 

 

内部の耐熱塗料がまだしっかり残っています、これは数回しか使って居ないのが

判る状態です。 

ヨーロッパでもエマージェンシーストーブとして保管するようなことが

在るのかもしれません。

 

さて、こちら問題の燃焼機構部分、構造がさっぱりわかりません、

従来の構造の様に芯を上げて着火するような物では無く、

正しい呼称は知りませんが一度着火した後はその燃焼の熱をセンターのパイプが

受けて芯に給油される仕組みです、ランタン等では一般的な様です。

 

調べてみると芯は本来はアスベストの薄板が使用されているようですが

この個体は既に一般的な綿芯+ガラス芯に入れ替えられています。

アスベストは古くはエジプトの時代から熱に強く丈夫でとても有用な素材でした、

ミイラの包帯もアスベストの織物だったりするそうです。

その様な健康被害が出るなどと誰が想像できたでしょうか。

 

判らないのがこの赤い摘み、どう見ても動きそうな構造です、 左右に回転させるか

前後に動くか、 恐らく初期の給油の為に使用されるべき物では無いかと。

何等かの理由でまったく動く気配がありません、何かで固着しているのか

それとも本来動くべきではない部品なのか? さっぱりわかりません。

 

タンク部分は表面的にも錆等なく綺麗です、塗装も生きています。

 

内部もこのように完璧に綺麗な状態、埃がある程度で灯油を入れた事があるのかも

怪しい程です。 内部は錆止め塗料の赤色が残っています。

 

部品点数も少な目で分解も簡単に済んでしまいました。

 

さて、機構を理解して復活させる事は出来るでしょうか?

つづく