厳しい寒さの続くこの頃、 ストーブ趣味人には真に面目躍如の季節です。

我が家では廊下に観葉植物が置いてありますが、 日々の暖房のおかげで

厳冬期の外の気候とは裏腹に新芽が芽吹き、季節外れの花を付けたりします。

燃費の良いレトロストーブはお財布にも優しく、 通常では月間で3万円ほどかかる

暖房費を半分ほどに減らす効果もあります、趣味人にとっては願ったり叶ったりなのです。

 

今年のメイン機は昨年整備したPOD8kのアイボリーと整備の終わったばかりのVikingの

2台になっています。  

そのほかCalorifixL51,PodJunior,Perfection730,

それにValorをローテーションして使っています。  代わりに昨年の使用頻度の高かった

CalorifixL41,Aladdin15 Saffire,はお休みをいただいています。

 

さてメイン機のPodVikingですが少し調整をしました。

 

こんな感じのいつもの自室の風景、 他の重要文化財のようなストーブ軍に見守られながら

今年の暖房を一手に引き受けるViking自衛隊さんカラーモデル(勝手に塗っただけです)

とても気に入っています。

 

そんなメイン機ですが不具合があります、

写真に収めようとチャレンジしましたが難しかった。

炎の奥側の三角に飛び出た部分がかろうじて見えるでしょうか、

このように一か所、炎が”ポッポッポッ・・・・”とハンチング状態といいますか

燃焼中ずっと小さな音を立てて途切れたり燃焼したりを繰り返すのです。

ストーブから少し離れると気にならないレベルですし、 一酸化炭素計でも

燃焼には問題の無いレベルです(と言うか優秀)

 

この問題に思い当たる事があります、

読者の方も同じ事を連想したかもしれません、 それは・・・・

この個体の芯外筒の縁を修繕してある部分、

締結バンドで締め付けて補修してありますが、 引っ張り切れないところがあり

0,5㎜程の隙間が空いています、加えて、先人の修理痕の穴も開いて居ます。

そこから余計な空気を吸い込んでハンチングを起こしてしまっているのではないかと?

 

それでは、検証、 

芯外筒のリップの割れていない昨年の8kモデルからその部分を拝借して実験してみます。

 

2週間ほど使用しましたので少し燃焼タールが付着しています、

その部分に重点的に多めにタールが付いているので、この時点では

ほぼ間違いなくこれが原因だろうと思っていました。

 

こちら完璧な燃焼状態の8kから借りた芯外筒、  

 

さて、Vikingへ装着して燃焼実験をします、

結果は・・・・・?

 

上手く写真に収められませんがハンチング位置が別のところへ回ってしまいました、

リップの切れ目の無い芯外筒を使ってもハンチングする事に加えて

炎の切れ目の位置がランダムであることから、原因は芯外筒では無い事が判りました。

 

それではどこが原因でしょう??

 

後日、ガレージへ下げて原因部分の補修にチャレンジします。

当日は最高気温が氷点下5度、 ガレージのアラジンで暖房してもプラスの3度程度までに

温めるのが限界でした、  寒い!

 

早速外筒部分を分離します、

 

外筒下枠を取り外します、 

 

作成した大型Oリングが良く働いてくれています、

タンク側の気化灯油でOリングの縁まで湿潤ですが、Oリングから外側には

灯油の漏れ出た痕はありません。

 

分解過程でタンク内に落ちたナットを磁石で拾います、

5本のボルトナットで止まっているので5個ですね。

 

さて、次に思い当たる部分はここ、

外筒下枠の芯外筒の嵌るリップの部分、組み立て過程でも”少し緩い”と書いていますが

ほぼ間違いなくこの部分が問題点でしょう。

 

芯外筒を嵌めるとこのように目視できる程の隙間が出来ます、

錆の影響でミルフィーユ状に剥がれて薄くなった部分で強烈な固着の原因にも成って

居ました、花咲かGの威力で錆は綺麗に溶けて無くなりましたが

その分薄くもなっています。

 

一応はねじ込む事で芯外筒は固定されるのですが、ガスケットを入れていても

気体はすり抜けるレベルです。

 

この隙間をプライヤーの先端に保護のビニールテープを巻いたもので更に小さくして行きます

 

このような感じに隙間をほぼ無くして密着させます、

 

そうしたらまたTeamjunker方式で組み立てて行きます、

 

組み付け出来ました、   芯外筒もしっかりと嵌り、前回の様に緩い感じは無くなりました。

コクっと嵌ってグッと回すPOD本来の組付けの感覚が再現できました。

 

さて、緊張の着火実験は・・・・・

 

この通り、ハンチングは綺麗に収まり、炎も均一になりました。

 

芯外筒の微妙な隙間から気体がすり抜けてタンク内へ混入し芯の隙間から微気流を

起こして炎の一部をハンチングさせて居た様です。

なんとも、微妙な調整でしたが思い当たる部分2か所目でたどり着けて良かったです。

 

当夜からVikingはメイン機復帰です。

燃焼状態が良いので換気を忘れてしまわない様に注意しながら使用します。

 

ハンチングも無くなり以前よりも炎に勢いが出ました。

今年はほぼPOD一択になりそうです。