今年は冬の訪れが遅めの札幌、それでもいろいろと冬支度はしなくてはいけません。

降雪量は累計で4m以上、積雪は多い時期で80㎝にもなりますので、前回でお話しました

庭木の雪囲いは積雪で枝や幹が折れることもある為、必ずしなくてはなりません。

加えて我が家では倉庫に仕舞った除雪機と母親の使うセニアカーの入れ替えをします、

スペースが限られるのでこれも必須作業になります。 引き出した除雪機はオイル交換や

塗装、各部の点検をして置きます、そうしていざという時に備えるのです。

それでもそんな事をする内に冬に対する身支度とでも言いましょうか、そういった物も

心の中で出来て来るのです。 毎年恒例ですがそういった意味合いもあるのです。

 

そんな冬支度の中にここ6,7年で新たに加わったストーブ整備、

初めは一台、二台でしたが最近は常に5,6台がローテーションするので

少し負担に成りつつあります。 社会情勢もあり今年は完全に出遅れました、

12月も中旬に近付いているというのに稼働準備を整えた機体はまだ3台しかありません。

それでも家族にはそんな素振りを見せてはいけません、何と言ってもレトロストーブは

便利で有用、然程の苦労も無く維持出来る風を装わなくてはいけません、

立ち位置的にこれだけは絶対に守る様にしています。

 

 

前回に続いて今回は火屋の分解を進めて行きます。

外観はそれなりに劣化していますがどうでしょう?

タンクの状態からかなりの放置プレイだった事が判って居ます。

 

ギャラリーは煤が付いて使い込まれた感じがします、

それでも、真鍮部品の割れ等致命的な不具合は表面的には見えません。

この辺は軽微な磨きで新品状態まで復帰しそうです。

 

昨年レストアしたPOD8Kも外観は酷く錆びて居ました、それでもビス類は比較的ダメージの

少ない物が多く、全てのネジ類を再利用しています。

 

比べてこの個体のネジはかなりダメージが大きい様です。ネジの廻りから染み出た錆の痕は

水の侵入を疑わせます。

 

試しにプラスドライバーを入れて外して見ますが、これがポジネジである為、手持ちの

普通のドライバーでは少しガタつくので緩めるのに苦労しました。

ポジドライバーも用意しないといけないですね。

 

こんな感じに外れてきました、 表面的では無く、内部まで錆が侵食しているようです。

これは再利用できそうな気がしません・・。

 

3本ビスを外すとこのようにフレーム枠から外筒を取り外す事が出来ます。

外筒にギャラリーを留めてある部分、 もう錆の塊と化しています。

 

ビスにはまず、昔ビスだった記憶を思い出してもらいます、

そうしてしっかりと力を掛けながら外して行きます

 

やっと外れてきました、 ここまでボロボロだと、ポジネジでも普通のプラスネジでもほぼ

同じ、かなり苦労します。

---疑っているのは鉄のネジが真鍮で電蝕を起こしている可能性、

ステンレスに対しての鉄の電蝕は有名ですが、材質が変わると電位差が発生するので

同じような現象が起きる可能性があると言う事です。

ビスも然りですが、外筒のギャラリーに触れている部分にもかなり集中的に錆が発生してる

様にも見えます、 位置的に屋外放置されて雨水等の溜まる部分でもあるので一概には

言えませんが、とてもとても疑っています。

 

外筒のマイカの嵌った部分、ここにもポジビスが使われていますが同じく真っ赤に錆て

います、ここは逆でビスがステンレスだった疑惑が有ります、 

 

---外筒は琺瑯引きでVikingモデルらしい部分です、前回レストアした8Kは耐熱塗装仕上げ

でしたから、こちらの方が上級な仕上げです。 錆はギャラリーに触れていた端部とネジ穴廻り

それにマイカ窓の内側プレートの触れた部分に浮いている状態です、 研磨である程度の

良いレベルまでもって行けそうです。

 

高い湿度や雨等の水分で錆が進行した可能性も排除できないので、明確には言えませんが

電蝕を疑う錆び方をしています。

 

マイカを留めていたネジは磁石にはくっつくのですが、錆の発生は少なめで

何より色合いがステンレスっぽいですよね? 磁石にくっつくステンレスもあるらしいですし

このストーブが生産された80年代初め頃の鋼材の材質事情、さらにはスウェーデンでは

そういった素材があったのかも?と考える所はいろいろです。

 

嵌っていたマイカは残念ながら表面にカビらしき物が発生しています、これは

復活できるかどうか・・・。

 

上面板は網状のフレーム上にリベット留めになって居ます、

一か所正面側が凹んでいました・・・・?

 

観察すると、凹みの廻りの琺瑯の欠けた部分の下には錆が無く新しいのが判ります、

これは・・残念ながら輸送途中で破損したのが判ります・・残念。

箱は傷んで居なかったので梱包の途中で落としたかぶつけたか?

 

表面的な錆ですが、磨くと塗装も剥がれるレベルです、これは軽微な磨きで復活出来る

と言う淡い期待は諦めた方が良いでしょう。

 

内側の様子です、錆は網状のフレームにも細かく発生しています。

これは前回の様にブラストするなどの方法も視野に考えなければいけません。

簡単にビンテージのエイジングが効いたストーブの復活を夢想しましたが外れでした。

 

外れない部品等はありませんでしたが少しテンションの下がる状態です。

まあ、急ぐ作業でもありません、ポツリポツリ進めてゆきましょう。