ストーブシーズンはそろそろ終わりをむかえます、毎年この時期になると

部屋に有る5,6台のレトロストーブを1,2台に絞り込んで使うようにします。

タンクに残った灯油を使い切って、ガラス芯の物は空焚きして芯からも灯油の残りを

搾り取るようなイメージで保管に備え、棉芯の個体は灯油が無くなると簡易的に

芯清掃してボディを傾けて1日程放置し、芯の灯油が抜けるのを促します

最後に長尺ドライバーの先にキッチンペーパーを貼り付けて傾けたタンクの脇に溜った

残りの灯油を綺麗にふき取って置くのです。 そうすると次シーズンにはほぼ問題無く新油を

注ぐだけで使用を開始できます。 ストーブ仲間の中には芯を取り外して陰干しするなどと

言った猛者も居るのですが、そこまでは私はしません。

 

私の居住する札幌市はまだ夜間には氷点下にまで気温は下がり、日中でも温度は

一桁台で推移します。 関東以南のニュースを聞きますとそれはもう別の国のようで、

20℃を超えていたりとか、すっかりストーブの出る幕は無くなっているようです。

 

そんな訳で少しずれたお話ですが、手持ちのストーブの燃焼具合を検証してみました。

 

ここではあくまでも自分の所有するストーブの現状での燃焼具合を記録しているもので

個体やメーカーに優劣をつける目的はありません。 またレストア後の経過時間や個体の

劣化具合、使用灯油等によっても差異は発生しますのであくまでも参考としてご覧ください。

 

今回はPod8k、Aladdin15、Saffire の3機種、いずれも芯径75,3mmの個体です。

室面積は26㎡で高気密住宅なので燃焼ガスが室内にそのまま残留する為、概ね

1時間に一回、5~6分程換気をする必要があります。 

測定は手持ちの一酸化炭素濃度計(ネットで購入した物であくまでも目安として使用)

が0ppmの状態からスタートし、換気の目安の1時間後の状態を測定します。

初めの一台はPod8K 私はあまり詳しくなかったのですが、こちらが平行品らしく、日本仕様は

Vikingの別名を与えられているそうです。(なるほどね~)

先日レストアを終えたばかりの個体で個人的に新鮮なのと、上面板にまで達する

ブルーフレームの綺麗な色等が気に入って現在のメインストーブになっています。

レトロ感は少ないですが個性が光る個体です。

芯は別途入手したガラス芯です。 ガラス芯の炎の特徴は透き通るような色になる事、

炎が透けて見えます。

 

印象は燃焼臭も少なく、灯油の上手く燃焼したときに出る甘い匂いがするとても良好な

状態です。

 

着火後にストップウォッチを作動させるので1分程度の誤差はありますがご容赦ください、

 

1時間経過、 このように一酸化炭素計には検出されないレベルです、

実際に75㎜径の芯では非常に優秀でPod8kは2時間程燃焼を続ける事が出来ます。

通常は少し頭が重く感じる等の燃焼ガスによるであろう軽微な影響を受ける物ですが

この個体に関しては時間で区切って換気をしないと、忘れて2時間程使い続けてしまう事が

あります。

 

次はAladdin 15、こちらもレストアが終わったばかりの個体で、それまで自室に在った

Aladdin38型1号機を追いやって、かなりの使用率を記録しています。

芯はトラディショナルな綿製で、ガラス芯と見た目の違いはブルーフレームの炎の中まで

ブルーであること、ガラス芯の炎は透けるような色です(お手持ちの方なら言っているいみが

判ると思います)

こちらはブルーフレームの祖たる存在なので、それを理解している自分は脳の中で

別の意味も付加されて畏敬の念とまでは言いませんがそれなりに一目置いています。

 

1時間燃焼では15ppm、少し息苦しい感じがし始めるかなと言った具合です。

燃焼具合は非常に綺麗で赤火等は出ていません。 

推奨の限界一酸化炭環境濃度は25ppmとなっているようですので1時間では人体には

全く影響は無いレベルと言えます。

息苦しく感じる理由には2酸化炭素濃度も影響して居ると思われるので、 今回の検証には

現れない要因もあります。

 

使用を続ける為に換気をすると一酸化炭素濃度は5ppm程まで改善します(5分程の換気)

それを繰り返す事で高気密住宅でも日常使用できます。

 

最後はSaffireストーブ こちらは導入からすでに3,4年経過していますが依然として

お気に入りのリストに入っている個体です、 何といってもシンプルな構造で、全周から

ブルーフレームを見る事を可能にしたガラス火屋の意匠が存在感を際立たせています。

芯は綿製でアラジン用に販売されているものをそのまま流用しています。

綿芯の炎の特徴で濃いブルーフレームは炎の中までブルーです。

 

安楽椅子に座って文庫本等を読む時に、脇でブルーフレームが燃えている様子を視線の

端部に捉えながら過ごすようなシーンではほぼ必ず登場させるようにしています。

原始人だったころのDNAが騒ぐんです。

 

芯の繰り出しも独特で火屋を時計回りに3回程回す事で芯がせりあがる構造です。

Aladdin15用の芯が使用できるので便利です。

 

難点は地震等で早急に消化を迫られる時等に他のダイヤル式のストーブに比べて

やや時間が掛かる事でしょうか。

 

1時間経過の状態では8ppm、 このレベルではまだ率先して換気しようと思う程の

不快感はありません。 それでも注意して換気は励行する様にしています。

 

いずれのモデルも多少の差異はあれど、通常使用には問題なく、製造から60年近く過ぎた

モデル等もある事を鑑みると非常に優秀で、当時の技術の高さを感じます。

基本的に現行モデルとして販売されている物もベースになる技術は同じです。

その後に耐震消火装置等を追加することでさらに安全に快適に使用できるように

進化しているモデルもあるので(Aladdin15やPod8k)ビギナーにも安心です。

 

つづく