天候が落ち着いてきたこの頃、やっと義務的作業を切り上げて自分の時間が

作れる状態になりつつあります。

そう、私の住む地域も例にもれず冬の嵐が通り過ぎて行ったのでした。

 

ストーブ趣味の原則の一つに、”それは何物にも優先しない”と言うのがある

のですが(勝手に決めています)、そういう立ち位置上、今回の様な冬の嵐

等、大雪で除雪が必要だったり、屋根の雪下ろしの手伝いに駆り出されたり

すると、必然的にそれは後回しになって行きます。 スタンス的にはゆっくり

ポツリポツリと進めるのが一番楽ですし、期待が少ない分、出来上がりが

良いとそのギャップに大きな満足感が得られたりもします。

 

本州の日本海側程の酷い状態ではありませんでしたが

札幌も嵐の洗礼を受けました。 一番酷かった日は家に籠って用事も後回し

にしてやり過ごした程です。

発達した低気圧のおかげでホワイトアウトで事故が起こったりしました

気温も非常に低く、最高気温が常に氷点下の日々が続きました。

 

レストア作業はメインの塗装に差し掛かっていますが、そんな条件では

巧く塗装は出来ません、 はたして、苦悩の塗装工程の続きです。

 

Podのタンク部分は艶のある綺麗な塗装を目指しています、

ですからプライマーで綺麗に肌を整えてゆきたいのです、

前回のホルツの自動車用のプライマーは使用予定のアサヒペンの塗料と喧嘩して

しまうことが判明したので、今回は同社製のプライマーを入手してきました。

エポキシ系のプライマーで乾燥後はどのメーカーの物とも親和するであろうと思われます。

 

一応念のために実験します、 プライマーの溶剤が完全に乾燥しない状態で上塗りを

重ねてみます、

流石に同社製品なのでうまくなじんでくれたようです、 これで行きます。

 

錆止めのジンクスプレー仕上げの表面をサンドペーパーで平滑にしておきます、

因みにこちらのジンクスプレーもエポキシ樹脂塗装になっているので溶剤や灯油には溶け

出したりしませんのでストーブの下地には有効です。

 

プライマーを2度塗りして乾燥を待ちます、

この時期の氷点下のガレージではアラジンとSaffietteの2台のストーブを焚いても

温度を5℃に上げるのが精いっぱいです、 とても塗装には不向きな環境です。

当日は乾燥しないためこれで作業は中断しました・・ まあ気長にゆきましょう?

 

さて日付変わって2日後、プライマーは結構綺麗に塗装できました、

つや消しの表面でこのまま上塗りできれば塗装の乗りもよさそうですが・・

 

錆で出来たアバタがどうしても隠れない部分がありますのでもうひと手間加えます、

今回はホルツでは無くてソフト99のパテを使ってみます、(こちらも自動車用)

 

こちらはその他の趣味で実績があるので迷わず使っています、 

アサヒペンの製品とは無反応です。

 

こちらもエポキシ系で乾燥には温度が重要な要素になります

そのような訳でまたしても中断、 翌日まで乾燥を待ちます、

 

日付変わって、パテも硬化しました、

 

表面を耐水ペーパー800番で水研ぎして行きます、

地道な作業ですが、現状塗装も難しい状況では急いでも始まりません、

ここはじっくりと出来る事を進めるのみです。

 

ツルツルに仕上げる事が出来ました、凹みや錆のアバタの部分も概ね綺麗に出来ました。

 

当日は気温は氷点下4℃、ガレージ内は+6℃にまで温めていますが厳しい状態です。

塗装前のタンクはストーブの上で少し炙って温度を25℃程度までに上げておきました、

塗料も温水の入ったバケツにつけて25℃前後まで温めてから施工しています。

 

外筒フレームは比較的綺麗なので今回は亜鉛塗装を下地に直接色を入れて見ます、

 

簡単に同手順で塗装しましたが、プライマーとは違い塗料は粘度が少ない為

塗装はやや厳しい状況です、 塗装前に対象の温度を上げておいても

そもそもガレージの温度が6℃前後と低いので直ぐに冷えてしまいます、

 

そうすると表面に乗った塗料がいつまでも流動的で、結果として垂れてしまうのです、

非常に薄く塗って3回程塗り重ねてみましたが、それでも少し垂れます。

 

細心の注意を払ってもここまでで中断を余儀なくされました、

もう少し温度が上がらないと難しいでしょうか。

 

逸る気持ちも無いわけではありませんが、ここは待つしかありません、

半分だけしか塗装できませんでしたが仕方がありません。

”苦悩の塗装”の理由が伝わりましたでしょうか。

 

ガレージをもっと温められたら良いのですが、塗装工程では有機溶剤が充満しますので

必然的にストーブ類は消火してからの作業となります、

ヒートガン等も同様の理由で使用できません、 

う~ん・・・と悩んでしまうのでした。

 

つづく