仕事納めに大掃除、年末年始の買い出しと日常に押し流されるように暮らしている

この頃、皆さんも同じような感じでしょうか。そのような事情もあり、

ストーブレストアは暫くお預けです。

 

特に専門的な知識や大掛かりな道具を必要としない趣味ですので、思い立ったら即

その日の内に手軽に始められるのが魅力です, まずは気になる汚れを少しだけ

布で乾拭きするだけでも、すでにレストア趣味の入り口に立つ自分を発見するはずです。

 

年齢を重ねて若かった頃に気付く事が出来なかった小さな事や物事の後ろに隠れた真理が

垣間見えるようになったなら、その時こそ思いやりと愛情を込めて回りの物や人に接して

見る様にします、きっとその物や人はいつかあなたに愛情を返してくれるでしょう。

このブログのタイトルになっている”ストーブレストアは禅の境地”とは

そいった意味も含んでいるんです。

 

 

 年の瀬の札幌、幸い地理的には日本海側に位置するものの今年の大雪には

遭わずに済ん居ます。 連日の様に降雪する地域もあるようで、正直に大変だと思います。

子供の頃に住んでいた山間の町は毎朝ラッセルしながら学校へ通ったものです、比べて

最近の札幌は降雪量も少なめに推移する年が多いような気がします。

 

本意に反しますが、サンドブラストで錆をおおかた綺麗にしたタンクです、

サンドブラストの問題点は処置後に出来るだけ早く次の施工を施さなくては”ならない”事。

表面を保護する塗装やメッキを根こそぎ落としてしまうわけですから、空気中の酸素と水分が

直ぐに錆を形成してしまいます、 湿気の多い時期等は半日も放置できない程です。

 

知り合いの所でブラスト処理をさせてもらってから1週間程が経過してしまいました、

写真では良くわかりませんがすでにうっすらと酸化した色に変わり始めています

 

忙しい時期ですが、こればかりはやっておかないと折角の作業が水泡に帰してしまいます。

この時点の外気温は一桁台でしたが、氷点下には下がっていません。

 

卓上グラインダーにブラシをセットした物を使用します、

サンダーにケレン用のディスクを装着して使っても良いです。

 

表面の被膜をもう一皮剥くような感じです、 綺麗に地金が出ました、

この後、脇に残った塗装もケレン作業で綺麗に落としています。

 

塗装の生きている部分を残してオリジナル部分とのコントラストを演出することにしました

養生テープで簡易的にマスキングしています

 

下塗りはいつものジンクスプレーを使用、上塗りは出来るだけオリジナルに近いクリーム系に

する予定です。

 

気温が低く、乾燥するまでに1日かかってしまいました、

ガレージのストーブを消すと気温は氷点下まで下がってしまいます。

北海道ではこの時期のガレージ塗装は難しいです。

 

仕上りはかなり綺麗ですが近付くと錆で地金が荒れた凸凹が少しだけ見えます。

 

裏側の製造年月日が印刷された部分は重要だと個人的には思っています、

レストア後にも製造元の微かな記憶を残す事が出来るような気がするからです

仮に私の手元を離れても製造年月日があれば個体情報を遡って知る事が出来るでしょう

 

こちらは外筒の下枠、 入り組んでいますので細かなところにまでは手が入りません、

真鍮ブラシで気休め的に脱脂をしながら錆落としをしました、

 

望みはジンクスプレーがしっかり仕事をしてくれることでしょうか。

亜鉛塗装は今までの経験から、非常に有効な事が判っています、多少の錆が残っても

亜鉛塗装することでかなりの確率で錆の再発を抑えます

 

全体を塗装してひとまず時間を稼ぐ事が出来ます、

そう、ほかの部分の錆処理が終わっていないのです、 その部品とは・・・

 

こちらの外筒の外枠部分がサンドブラストでも処理しきれなかった部品です。

ここはすかさず、いつもの花咲かGの出番です、

 

全体が入る器が無いので半分づつ施工します、

こうやって2,3日漬け置きます、 日中の外気温は一桁台ですが夜間は氷点下まで

下がってしまうので室内へ持ち込み、反応させます。(花咲かGは低温では作用し難い)

北海道の家の室内は25度前後まで暖房されているのが常で、我が家もその例にもれず

南国のソテツが生い茂りコーヒーの木が実をつけたりしています、 当然ながら

部屋着も半袖のTシャツだったりします。

 

花咲かGが仕事をするまで時間があるのでその他の部品をポツリポツリと磨いておきます、

PODの上面板部分は琺瑯仕上げです、白色のモデルではこのようなブラウン系の色です。

87年製ですのでさほどの劣化はありません、琺瑯の禿げもほとんどありません、

いつもの様に金属研磨剤で表面を磨いて行きます、 今回も使用したのはブルーマジック、

 

何度か書いていますが、レストア作業のコツは先の長い作業の終わりだけを考えずに

こういった簡単な結果のすぐ出る作業をちりばめる事です、 そうして小さな満足感を実感

しながら作業を進めて行きます。

 

キラ~ン!と輝くととても満足できます、(基本的に誰しも同じです)

こうすると、次はどれを光らせてみようか? と自問する自分がそこに居ます。

取っ手のくすみを見つけてすかさず施工して行きます、つるりと磨けばすぐに輝きます。

87年製のメッキはほぼ新品状態で、仕上げの良さが伝わってきます、

スウェーデンの工業技術の良さが見えます、

”そういえばサーブはスウェーデンのメーカーだったか?飛行機も作ってるんだったっけ?”

等とつぶやきながら作業していました。

 

少しづつですがレストア作業は続きます、

花咲かGの仕事も期待しています。

 

つづく