札幌は先日、例年よりも遅めの初雪が降りました。 そう聞くと、

まだまだ秋のその他の地域の日本の皆さんはさぞかし寒いのではと想像されるかも

しれません、しかし、こちらの住宅事情は正に冬をどれだけ快適に過ごすかを追求した

物であるため、子供の頃から寒い思いをした経験は殆どありません。

実際のところ我が家も全自動のFF式ストーブでの暖房で10月中頃からはスイッチを入れて

設定温度を決めたらほぼ春まで触る事もありません、室温は一定にたもたれ、夜間は

やや低めの温度で燃焼をつづけ、朝には快適な温度に回復するようになっています。

普段の部屋着は当たり前の様に半そでのTシャツ姿なのです。

 

そんな環境になれた家族からは変人扱いされる程に

”手間”のかかる”前近代的”レトロストーブを愛してやまない私なのです。

 

 

アラジン15型の続きです、この辺りはまだ記録写真です、

取り外したタンクは上半分が鉄、下半分が真鍮のハイブリット型でした、

15型の後期辺りの仕様の様です、

 

タンクの底にはタール状の劣化灯油由来物質がこびりついています、

 

それも、私の師匠のキングパワーさんの助言で解決しました、

獅子印の・・・という洗剤の原液を入れて振り回すとあっという間の取れます、

それまでは換気扇用洗剤などを使っていましたがこちらはさらにパワーがあります、

 

タンクの底の地肌が見えます、素晴らしいですね。

 

例の如く、内煙筒は鏡面仕上げです、 摩擦を少なくするのが目的です。

タンクも簡単にピカールで磨き上げておきました。

 

燃料ゲージは然程の劣化もなく良好です、

 

アクリル窓もピカールで磨くと艶を取り戻しました。

黄色い部分は元はアラジンのブルーグレー色のらしいですが、どうしても揮発灯油が

劣化を進めるようです、さらにはアクリル自体を劣化させ、最終的には真っ黒になるようです。

 

こちらのイラン製15型はボイルリングも由緒正しい頃の様に琺瑯引きです、

ネジが固着していましたが、ラスペネに浸すとすぐに緩みました。

 

後に耐熱塗装仕上げに変更になりますが、15型の頃は天板を外す為のハンドルが付属した

様なのでボイルリングとしてその名の通り煮炊きをするときには実用に供された部分ですから

琺瑯である理由はそれなりに在ったでしょう。

 

覗き窓の枠もメッキですが、現代のメッキとは質感が違います、

分厚い感じですね、 簡単に磨くだけできらりと光ります。

 

外筒は使用頻度が少ない事を物語る部品の一つです、

琺瑯特有の年輪の様な割れが細かく入ってくるものですが

この個体には見受けられません、綺麗ですね

 

コーションプレート類はイギリスアラジンから比べるとかなり廉価盤ですが

書いてあることは同じですね。

ここまでが記録写真です、 その後とある理由から2年程中断していました。

 

さて、ここからはほぼリアルタイムでの画像です。

AGIPと同時に進めていますので、部品が混ざっていますね。

Aladdinの取っ手も錆びが進んでいたのでAgipの物と一緒に処理しました、

当然ながら花咲かGの登場です、  もうこれだけ連呼したら20L缶ぐらい案件でいただいても

良い位ですね。

15型の取っ手は亜鉛メッキが残っていたので白く亜鉛の肌が出ました、

錆は綺麗になくなっています。

ギャラリーもその後の真鍮地金仕上げではなくメッキが掛かっています、

少し汚れが付着しています、留め具の錆も移ってしまって居ます、

 

ギャラリーは上下の部品が嵌っているだけなので分解できます、(現行型も分離可能)

少し面倒ですが進汚れを磨いて落としてゆきます、

この辺りは大切なので時間がかかっても綺麗に仕上げたいですね、

わたしはキャンプ用の折りたたみ椅子に座り、ラジオをBGMに美味しいコーヒーを

手の届くところに置いてゆっくりと作業します。いつの間にか手に持ったウエスが真っ黒に

なる頃部品はピカピカになって自分の顔が映りだすのです。

 

急ぐ事はありません、もう少し冬は待ってくれそうです。

 

先ほど言いました2年間の中断の理由の一つがこちらです、

フレームの内側の錆の状態が悪く有効なさび落としの道具を模索していたのでした、

例えばサンドブラストなど、 しかしついに2年の月日が流れたので今回は時間をかけて

いつもの方法で進める事にしました。 ”花咲かG”ですね(本当に宣伝し過ぎですね)

大きくて入り切らないので半分づつ処理します。

因みに溶液はAGIPを処理した後の物を再利用していますが、十分な効力があります。

2日程漬けてみましょう。

 

つづく