今年もそろそろシーズン入りの季節になりました、

ストーブ趣味人としてはあれこれローテーションしているストーブのメンテをしたり

給油したりと忙しい日々を送ります。 試験着火などと言う名目で久しぶりに炎を見ると

やっぱり原始人だったころのDNAなのか、ボ~っと炎を眺めて催眠に掛かってしまう

自分を発見します。

 

 

塗装の乾燥を待っていたスカートと足が完成しました、 いよいよ組み立てです。

部品点数は少ない部類です。

 

タンクにスカートと足をつけて行きます、 

 

用意した真鍮のマイナスネジを使います、

タンクが真鍮なので違和感はありません、 オリジナルは鉄製のマイナスネジの塗装仕上げ

でした。

仕組みは簡単でタンクの縁の張り出た部分にスカートを乗せて挟み込むように足をねじ留め

します、そうすることで足とスカートを一緒に留め付けるのです。

 

磨き上げたタンクと塗装なったスカートの真鍮とグロスブラックのコントラストが良いです。

 

ギャラリーと言うか、芯外筒と言うか、どちらも兼ねるような部品ですが

こちらも綺麗に仕上げる事が出来ました。

 

先回組み上げた外筒です、

 

タンク部分に乗せてほぼ完成です。

 

早速新油を入れて着火試験をします、 芯も新品ですのでしばらく灯油がしみこむのを待つ

例の儀式をします。 ガラス芯を自作していますので燃焼具合が楽しみです。

 

30分程待って着火しました、 2次燃焼ガスの青白い炎がみえます。

2次燃焼筒を耐熱塗料で塗装していますのでしばらく燃焼ガスに匂いが出ます、

 

さて、こちらは燃料レベルゲージ、 塗装はきれいに出来ていますが問題は・・・

 

ゲージの針も完璧です、元の色が黒く残っている部分が有ったので

スカートと足に使ったグロスブラックで塗装してみました。

 

問題はこのゲージの表記文字です、 明らかに手書きの文字ですが独特のフォントで

オーストリア人が(或いはイタリア人)使いそうな感じです

これを手書きで再現できるのか?

生産工程では行員のおばちゃんが手慣れた感じで一日に50個も書き続けるような

場面を想像してしまいました。 熟練の技です、 ロールスロイスに車体のコーチラインを

手書きで仕上げる職人の動画を見たことがありますが、一切の迷いがありません。

あのレベルの自信が必要なのです。

 

面相筆にグロスブラックをつけて習熟の為に文字を暫く書き続けてみます、

”ダメです” 私には迷いがありすぎる・・・・・

 

2時間程粘ってみましたが、手書きで塗装成ったゲージに文字を書く自信は少しずつ

無く成って行くのでした、 そうして3時間程チャレンジしたころに直に諦める決断をしました。

これは工場のおばちゃんにしか書けないのがわかったのです。

 

そんなわけでこんな感じにデカールでEmptyとFullのEとFを張り付けただけです。

単純に表現しますと”挫折”でしょうか・・。

オーストリア製ストーブなのでEmptyとFullではなくLeerとVollで LとVで表記すべきだったかも

しれませんが、ピンとこないので英語の頭文字に落ち着きました。

 

タンクに装着してみます、 やはり少し塗装が明るいかもしれません、劣化した塗料の色の

イメージが強すぎるのか、それとも元からもう少しくすんだ色だったか?

とりあえず稼働具合は良好です。

 

自室のフローリングの床に傷が付かないように一工夫します、

ホームセンターで写真の縁ゴムを買ってきました。

 

足の縁に取付ました。

 

早速使用してみます、

 

日中はまだ15度前後まで気温が上がるので簡易的に着火しただけですが

燃焼中の匂いは収まりました、 タンク内部の洗浄や芯を交換した事が効いています。

 

一酸化炭素メーターでも検証してみますが使用に問題の無いレベルです。

 

当日夜に使用してみました、 照明を落として二次燃焼の青紫色を愛でます、

とてもレトロな雰囲気はアラジンやSaffireなどから見ても明らかにもう1世代前の意匠と

燃焼システムで自分としては新たな領域に踏み込んだイメージです。

 

また、新たに宝石の様なストーブが仲間に加わりました。

真鍮の輝きと真っ黒のボディ、それに青紫の炎に魅せられるまま秋の夜はいつの間にか

暮れてゆくのでした。

 

おしまい。