アラジンの魅力に取りつかれた私、

その後1年は初めの一台で満足していました。 とても暖かいし、ルックスも良い、エアコンに

全自動FF式ストーブの我が家にはアナログなアラジンはとても新鮮だったのです。

 

幸か不幸か、その後停電が発生する事はありませんでした、

それでも心の片隅では根拠の無い安心感があったりもしました。

 

2年目の冬を思い描きながら過ごしていた、と在る秋の一日、

オークションでアラジン38型の出物を発見しました、2台まとめての出品です、

まだまだシーズンは遠いので価格も低いままです・・・思わずポチっていました。

 

何度か言いましたが我が家にアナログストーブはほぼ不要です、

30年に一回の災害や大停電が起きない限り出番は無いのです。

 

当時の記録写真です。

ブログに書く事はこの時も想定していません、組み立て用の記録写真等がメインになります。

 

2台とも同じ状況で使われていた様子で程度もほぼ同等でした。

型式はJ380002で、初期型の後期に当たります。

 

2台共しっかりと使われて居た様子で、焼けているべき所は焼け、錆びている部分も多く

破損も有るようです。 それでも所詮はアラジン、どんなに””酷くてもどうにでもなる”のを

当時既に理解して居ました。 

写真の様な状態でも”まあまあ良い感じ”と言うのが私見でした。

 

煤もしっかりと付いて居ます、

前回の38型の様に使用頻度が少ないイメージはありません、

むしろしっかりと生活を支えるべく毎日使用されていたイメージです。

 

蓋状の耐震消化装置を起動する為のレバーの戻り用のバネの記録写真、

こんな写真を撮りながら組み立ての時に役立てています。

 

もっと昔のアラジンなら雰囲気のあるマイナスネジですが、38型は既にプラスネジです。

 

錆の少ない方のぞき窓のマイカは比較的綺麗な状態でした、

もう一台の耐震消化装置稼働レバーの抑え部分、ほぼ同じ状態で使用された2台でしたが

環境が微妙に違った可能性があります。  こちらはやや錆が進み気味です。

煮炊きに使われて吹きこぼれ等があったかもしれません。

ギャラリーは2台ともほぼ同程度でした。

この頃はギャラリーが上下に分割出来る事を知らず、そのまま磨いたりしています。

 

しん外筒は明らかに違う仕様です、 真鍮素材の関連か下請けメーカーが複数存在するか

一方は曲げ伸ばしに適して居ない固い素材で作成されて居る様子で 複雑形状は素直に

複数部品で作成されて居ます、

方や、こちらの部品は柔らかいのか技術が有るのか、一枚の部品を絞ったり、曲げたりして

作成されて居ます。

固い方の部品は経年劣化で縦方向に割れが出て居ます、

真鍮の組成に寄ると思われます、非常に興味深い。 色は黄色見が強い様です。

知識が無いので当時はこの割れについても心配して居ましたが後に使用に影響ない事が

判ります。

こちらは割れも無くツルリとしています。 同じ条件で使用されていたとするならやはり材質の

違いでしょうか。

ギャラリー上面、ボイルリング、のぞき窓枠、チムニークリップを耐熱塗料で塗装しています。

 

外筒の状態はほぼ同じでした。  ピカールで磨くと琺瑯の割れから年輪の様に細かく出た

錆の線も綺麗に取れて見えなくなります。

内側の状態です。

こちらが錆の少なかった方で内側も軽く磨くと綺麗になりました。

こちらは錆の進んだ方で、内側にもやや汚れがついて居ました。

それでも琺瑯の表面はピカールを付けて根気よく磨くと綺麗になります。

 

上面版はどちらも琺瑯の欠けも少なくとても綺麗になりました。 こちらもピカールで

磨きました。

細かなネジやメッキ部品は花咲かGタンククリーナーに付け込んで処理しました。

メッキ層を傷めることなく錆のみを取り除く事が出来るので重宝します。

置台も2枚共に錆を落として塗装しました。

下地に亜鉛塗装をして仕上げた前回のアラジンはこの時点で1年半を経過して、まったく

錆の出る気配が無かったので同じ手順で塗装しました。

 

選んだ色は前回と同じくミスティグリーン、 アラジンに一番近い色の市販スプレーです。

こちらは上枠、厚く乗った煤を拭き取るとオリジナルの非常に綺麗な塗装が出て来ました。

錆もほとんど無いのでこちらは無塗装のまま軽微に磨いて置きました。

 

一方、錆の進んだ方は枠にもところどころ錆が出て居ました、

ミスティグリーンはアラジンの色に近いものの、琺瑯部分とのコントラストで明らかに色の差が

判るので出来れば塗装は避けたかったのですが仕方が在りません。

 

こんな感じに仕上がりました。

 

チムニークリップは今回も再利用です、

プライヤーでギャラリーをカシメてゆきます。

マイカは一年半前に2枚セットを購入した残りの一枚と、比較的綺麗だった一枚を磨いて

それぞれに取り付けました。 ピカールで表面の汚れを取り、磨くと新品と遜色無い透明度に

復帰できました。

 

上枠に外筒を組み付けて行きます、

手前がフレームをミスティグリーンで塗装した方で奥がオリジナルです、

明らかに違いが見えますがぎりぎりで許せる範囲内と自分では思って居ます。

使用した耐熱シルバー塗料はミストが細かく質のいい仕上がりになりました。

蓋状の耐震消化装置を横から差し込んで組み付けます、

ステンレス製なので錆の発生は極僅かで真鍮ブラシで磨くと綺麗になりました。

 

長くなりましたので後編へと続きます。