厚生労働省は、民主党の「厚生労働部門会議」で、2011年版厚生労働白書の概要案を示した。概要案によると、白書では、国民皆保険制度などを中心とした社会保障がこれまで果たしてきた役割を振り返った上で、「制度全般にわたる改革が必要」と指摘している。白書は8月中に閣議に報告される予定だ。

白書は、第1部の「社会保障の検証と展望―国民皆保険・皆年金制度実現から半世紀―」と、第2部の「現下の政策課題への対応」で構成される。

第1部では、社会保障制度の変遷や、その背景などを明記。皆保険・皆年金を中心とした社会保障の成果については、▽死亡率が低下し、平均寿命は世界最高水準に到達▽介護保険での利用者の選択による保健、医療、福祉にわたる総合的なサービスの実現▽「自由開業医制」「フリーアクセス」「診療報酬出来高払制」による民間医療機関の整備の促進―などを指摘している
一方で、「近年は地方を中心に医師不足が叫ばれ、特に小児医、産科医等は需要に対応できていない」などの課題にも言及している。

その上で、今後の社会保障のあるべき姿として、「必要な社会保障の機能強化を確実に実施し、同時に社会保障全体の持続可能性を確保するため、制度全般にわたる改革が必要」と強調。また、▽現役世代を中心とする子育て支援などの新たな社会保障ニーズに対応する▽持続可能な制度にするため、給付の重点化と制度運営の効率化を行うとともに、安定的な財源を確保する-ことなどの必要性も指摘した。

一方、第2部には、主に年次行政報告が盛り込まれた。個別のテーマは、▽質の高い医療サービスの安定的な提供▽健康で安全な生活の確保▽良質な介護サービスの確保―など。冒頭では、東日本大震災に対する厚労省の対応状況を特集として取り上げている。