休日の散策コースは、わが家の裏の淀川堤防を上がって、上流へ約4キロ、1時間のコースである。
途中、毛馬閘門を過ぎたあたりに蕪村の句碑がある。
春風や堤長うして家遠し
京から大坂に下るとき、故郷毛馬村の近くを通っているのに、縁が切れて故あって村には立ち寄れない蕪村の悲しい心情が「堤長うして」のことばに託されている。毛馬は菜の花が広がる村で、菜種油を取っていたという。春の、黄色いっぱいの風景のなかで子どもがトコトコとかけ寄ってくる様子を思い浮かべる。
ここを過ぎると、河川敷公園。子どもたちや青年たちが、野球、サッカー、ラグビーで元気に走り回り歓声を上げている。その横を断続的に腕を大きく降って歩く。彼らに負けまいと老齢にあらがうのだ。けど、腕振りは長くは続かない。
ゴールの城北公園手前からいくつもの「ワンド」がつづく。天が与えてくれた無料の“釣り堀”だ。等間隔で釣り人たちが糸を垂らしている。顔馴染みの元ビジネスマンに「いい天気ですね」と声をかけながら、脇のバケツに目をやる。釣果がなくても、元気が何より。
ワンドは、川の流れが変わって、本流とのつながりがうすれたところだ。流れが激しくないので、ここは格好の産卵場。小魚がいっぱい生息する。国の天然記念物のイタセンパラがいるのもこのあたり。
本流とは縁が薄れても、どっこい、かつての本流は新たな命を生んでいる。みんなを楽しませてくれている。
本流だけが川じゃない。
 
ホームページ
http://matsuokazuhiro.com/
フェイスブック
https://www.facebook.com/kazuhiro.matsuo.372