恥ずかしい話、大学を出たけれど英語も、専攻の仏語もしゃべれなかった。中学~大学の間に会話学習の授業がほとんどなかった。中学時代の教師はカタカナ英語で、ネーティブの発音を聴き取る力はなかった。

 

どうにかしゃべれるようになったのは、40歳過ぎてから。環境問題で外国で取材の必要があって、急遽NOVAの生徒になった。

 

NOVAには、VOICEルームという自由会話の部屋があった。

当時私はフリーランスで、空いた時間はそこに入り浸った。

 

一番早く上達したのは、自己紹介だった。新しい生徒が部屋に入ってくるたびに、自己紹介するので、同じようなことを言っているうちに、慣れてきた。

 

その部屋では、外国教師と趣味や仕事や人生の話を好きなだけすることができた。教科書がないので、初めはかなりブロークンだったと思う。しゃべる前に、頭の中で英文をつくり、それを読むような会話がだんだんとなくなって、しゃべりたいことがダイレクトに英語になった。

 

いまはすっかり元にもどって、英語も仏語もしゃべれるとは言い難いけれど、当時は、外国へ一人旅して、ある程度は取材できるようになった。

 

……カウンセリングでもよく似た経験をしてきた。

初めは、教科書の手順を意識しながら、あるいはアセスメントツールの結果を見て、タイプ論的分類を基に考えていた(ちょうど英語の初学者のように、頭のなかのテロップを読むように)けれど、いまはあんまり類型や教科書通りの手順にとらわれないで、むしろその場で会話に専心しているかんじ。

 

そのほうが、なぜかうまくいく。

 

 

【松尾一廣 プロフィール】

国家資格キャリアコンサルタント、CDA、精神氷魚県福祉士、ブリーフセラピスト、

キャリア/ひきこもり/家族の相談支援。元フリーランスライター。

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