1.面接試験で敬語は必要ない
面接官から質問されて、言いたいことはまとまっているけど「こういう場合、敬語でなんて言ったら良いのだろう」と考えて話せなくなる。
そんな経験ありませんか。
でも大丈夫。
私は、基本的に『面接試験で敬語は不要』と考えています。
私はこれまで、2004年から就労支援活動に携わり、今年で20年目になります。
その間に、色々な方を対象としたセミナー講師として登壇しましたが、私の意思で敬語の説明をしたことがありません。
依頼主が高校の先生で「生徒達に敬語を教えて欲しい」とか、商工会議所主催の社員研修で「ビジネスマナー」の指導をして欲しい、というような指定を受けたときは、当然教えています。
でも、それ以外の大学生対象の就職ガイダンス、転職者や再就職者対象のハローワークの就職セミナー等で、面接指導や模擬面接で敬語について教えたり、指摘したことはありません。
私は基本的に面接試験において「敬語は不要」だと考えているからです。
また、私個人の意見ではなく、多くの企業の採用担当者の方々の声でもあります。
だから、安心してください。
敬語が使えなくても大丈夫です。
2.敬語不要の理由
面接試験で敬語が使えなくて不安になる人は、少なくありません。
敬語は日本語の基本的なルールであり、面接においても重要なマナーです。
しかし、敬語は複雑で、間違えやすいものもあります。
そのため、面接で敬語を間違えてしまうと、マイナスの印象を与えてしまうのではないかと不安になる人は多いでしょう。
しかし、基本的に敬語が使えなくても、面接で不合格になることはありません。
敬語はあくまでもマナーであり、それだけで採用を決めることはありません。
面接試験は「正しい敬語」のテストではありません。
それよりも、面接官はあなたの人柄やスキルを評価するために面接を行っています。
そのため、敬語が使えなくても、あなたの人柄やスキルが伝われば、採用の可能性は十分にあります。
なにより私が、面接試験の敬語不要論を述べる一番の理由は、敬語を使おうと意識して話せなくなってしまうリスクが大きいからです。
面接官から質問されて、言いたいことはまとまっているけど「こういう場合、敬語でなんて言ったら良いのだろう」と考えて話せなくなる。
そんな経験ありませんか。
面接官は、あなたの頭の中のことはわかりません。
質問内容を考えているのか、それとも質問の意味が伝わらなかったのだろうか、そもそも聞いていなかったのか・・・
いずれにしても、あなたが発言しないかぎり、面接は進まない。
お互いに長い沈黙が続く。
空気がどんどん重くなり、益々緊張してしまい、最後は頭の中が真っ白になる。
そうなってしまう位なら、普段使っている言葉で構わないので、考えたこと・思ったことを素直に伝えましょう。
3.面接官は何を評価しているのか
そもそも、面接官はあなたの何を見て採否を判断しているか。
繰り返しになりますが、面接試験は「正しい敬語」のテストではありません。
面接官は、あなたの人柄と能力・スキルを評価しています。
「真面目に働いてくれるだろうか」(人柄)
「職場の上司や同僚とうまくやっていけるだろうか」(人柄)
「当社で採用したら、戦力になってくれる人材だろうか」(能力・スキル)
「今後さらに成長する可能性があるか」(能力・スキル)
ここを見ているわけです。
あなたの話し方も大切ですが、話す内容はもっと大事。
贈り物やギフトで考えるとわかりやすいかもしれません。
敬語とは包装紙のようなものです。
いくら包装紙が素敵でも、箱を開けて中身がしょぼかったら、がっかりしますよね。
それと同じで、敬語で飾り立てても、発言の内容が薄ければ評価されません。
4.とはいえ・・・やはり敬語が必要な仕事もある
ここで、誤解が無いようにお伝えしますが、けっして「敬語を使ってはいけない」というわけではありません。
また、普段通りの話し方をすれば採用されるというわけでもない。
敬語が話せるのであれば、ぜひ敬語を使ってください。
それから、仕事内容によっては、敬語が評価ポイントになる場合もあります。
高い発信力が求められる【アナウンサー】
日頃から社長や役員と接する【秘書】
正しい日本語や言葉遣いが必要となる【出版社】【新聞社】
このような業界や職種であれば、敬語は必須になります。
でも、一部の仕事を除けば、だいたい敬語は使えなくても大丈夫です。
なぜなら敬語は、入社してからでも覚えられるから。
私はホテルフロントに9年携わった経験があり、これまで新入社員からパートさんまで、たくさんの人に敬語の指導をしてきました。
まったく敬語が話せない人でも、3ヶ月経てば使えるようになります。
面接で敬語が使えなくて不安な人へ、応援メッセージを送りました。
敬語が使えなくても、面接で不合格になることはありません。
面接官は、あなたの人柄やスキルを評価しています。
敬語にとらわれるよりも、話す内容に意識を向けてください。
あなたはどのような人なのか(人柄や性格)
なにができるのか(能力やスキル)
これから何をしたいのか(志望動機や抱負)
以上を、あなたの言葉で説明できるように準備しておきましょう。