1.人生の質は何で変わるのか

私はこれまで、4.800名以上の方と個別面談をして、就職や自立支援に携わってきました。

最年少者は中学3年生の男の子。

お母様と一緒に相談に来られました。

最年長者は73歳の方。

既にお金には不自由していませんが、「自分ができることで社会の役に立ちたい」と就職を希望されました。

高校や大学の新卒学生から、障害のある方、元ホームレス、母子家庭のお母さん、引きこもりの若者など、様々な方と関わっています。

そのなかで、すんなり就職できて自立されていく方と、なかなか就職できずにいる方と2極化しています。

その差や違いを生み出すものは、セルフイメージです。

自分をどのような人間なのかとイメージ(定義)することが、すべてを決めるといっても過言ではありません。

今日は、このセルフイメージについてお伝えします。




2.セルフイメージとは

セルフイメージとは、自分自身に対するイメージのことです。

自分の外見や内面、能力、価値観など、自分自身をどのように捉えているかを意味します。

セルフイメージは、幼少期の親や周囲の大人からの関わりや、学校や社会での経験などによって形成されます。

このうち、親の影響が非常に大きいですね。

それがアダルトチルドレンなど、生きづらさにも繋がってきます。

セルフイメージは、私たちの生き方や考え方に大きな影響を与えますが、セルフイメージが高い人は、自分を信じることができ、自信を持って行動することができます。

「私はできる」とイメージしている人は、できると自分を定義していますから、できるように準備や努力をするし、できることを前提に行動します。

たとえば模擬面接をして、課題を指摘すると次回の模擬面接のときには、ちゃんと課題を克服してきます。

私も「凄いね、今度はちゃんとできてるよ」とフィードバックするので、それが自信につながり本番の面接試験にも、自信を持って臨むことができる。

その結果、採用に至るわけです。

一方、セルフイメージが低い人は、自分を否定的に見てしまい、自信が持てず、消極的になりがちです。

無事に就職できたとしても、職場でつまずくことが多い。

このように、自分をどのような人間かと定義するセルフイメージが人生の質に多大な影響を与えています。




3.セルフイメージを高める自己肯定感

このセルフイメージを高めるコツ、それが自己肯定感になります。

自己肯定感とは、自分自身をありのままに受け入れ、認めることができる力のことです。

自己肯定感が高いと、自分を信じることができ、前向きに行動できるようになるため、人生の質が大きく向上します。

逆に自己肯定感が低いと、自分を否定的に見てしまい、自信が持てず、生きづらさを感じることがあります。

自分自身をありのままに受け入れ、認めること。

それにより「今のままの自分でいいんだ」と思えるわけですから、自然に振る舞うことができる。

そのままの素の自分を表現できる。

別の言葉に置き換えると『素直』や『自然体』ともいえるでしょう。

だから、自分にも他人にも、ありのままで付き合うことができるわけです。





4.自己肯定感がセルフイメージを育てる

セルフイメージが人生の質を決めると、お伝えしました。

このセルフイメージは、自己肯定感によって作られています。

だから、自己肯定感を高めれば、自然にセルフイメージも高まり、行動が変わることで現実が変わるわけです。

そのため、自己肯定感はどうしたら高められるかが非常に重要になります。

自己肯定感を高める方法は、以下のようなことが挙げられます。


・自分の良いところを認める
自分の良いところを認めることは、自己肯定感を高める最も基本的なことです。

自分の良いところを書き出したり、他人から褒められたことを思い出したりして、自分の良いところに気づいてください。


・自分を否定する言葉を言い換える
自分を否定する言葉を言い換えることも大切です。

例えば、失敗したときに「自分はダメだ」というネガティブな言葉を、「今回はうまくいかなかった」と言い換えてみる。

「自分はダメだ」

「今回はうまくいかなかった」

この差が、次の行動へ大きく影響してきます。

自分はダメだと思えば、それでもう止めてしまうけど、今回はうまくいかなかったと思えば、次はどうやったらうまくいくだろうかと考えるようになります。


・他人と比べない
これが一番大切です。

他人と比べて、自分が劣っているところばかり見ているから、どんどん自信が無くなっていきます。

反対に、他人の劣っているところを見ても、一時的に優越感を感じることがありますが、それは本当の自信にはなりません。

なぜなら、世の中には自分より優れている人がたくさんいるからです。

あなたが比べる人は、ただ一人だけ。

過去の自分です。

過去の自分と今の自分を比べると、今の方がたくさん知っていることやできることがあるでしょう。

それは『成長の証』です。

過去の自分をふりかえったとき、『あの時もっとこうしていれば今頃は・・・』と後悔することも、成長の証。

過去の未熟さに気づけたということは、成長したからでしょう。

自己肯定感を育てる。

それによりセルフイメージが高まり、行動が変わる。

失敗に対する考え方が変わるからです。

そして行動が変われば現実も変わってきます。


「今の自分でいいんだ」

「私はこのままで大丈夫なんだ」


この感覚を常に持ち続けることで、人生が大きく変わってきます。