1.受講者からの質問

学生向けの就職ガイダンスや、転職者向けのハローワークセミナーで時々頂く質問です。

「履歴書に何を書けばいいですか」

「面接で何を話せばいいですか」


最初、質問の意味がわからなかったので、

「それはあなたのことですよ」

と返答していました。

自分のこれまで経験したこと、

新卒であれば何を学んできたのか、

転職であれば前職でどのような仕事をしてきたのか。

そして、なぜこの会社を志望したのか。

入社後の抱負など。



2.模範解答

このように説明すると、

質問した受講者が不信そうな顔をされます。

そして・・・

「えっと~そうではなくて、何を書けば書類選考が通りますか」

「何を言えば採用されるのでしょうか」


と質問されます。

ここでようやく私は、

「ああこの人は、就活に正解とか模範解答があると考えているんだな」

「それを書いたり、言えば採用されると考えているわけだ」


と質問の意味が理解できました。



3.正解はあなたの中にしかない

採用担当者の立場や視点から考えてみましょう。

採用担当者が知りたいのは、あなたのこと。

だから、あなた自身の経験や考え方、意思を書いたり話す必要があります。

でも模範解答や正解があると考えているから、就活本やインターネットで応募書類の書き方や面接対策を調べているわけです。

しかし就活本やインターネットに、あなたのことは書かれていない。

自分で思い出したり、考えたりするしか答えは見つからない。

そのために自己分析をして、自己理解が必要になるわけです。




4.自己分析は面倒くさい

しかし、自己分析は面倒くさい作業です。

また過去に仕事や職場で嫌な経験をした事がある人は、つらい作業になります。

実際、私も以前のセミナーで過去の棚卸しをして頂くときに、号泣された受講者がいました。

会場の外でお話しをうかがうと、以前の職場でセクハラ・パワハラを受けていたことを思い出して、苦しくなってしまったそうです。

自己分析はつらいし、面倒くさい。

だから多くの人はやりたがらない。

でもこれをしないと、応募書類に書くネタや面接で話す内容がまとまりません。

就職活動は自己分析に始まり、自己分析に終わると思います。

階段の踊り場のようなもので、一度立ち止まり過去と未来を考える貴重な時間になります。