天職について検索すると【天から授かったつとめ】と、あります。

天から授かった、与えられた職業ということでしょうか。

他にも


【神聖な職務】

【一生懸命に打ち込める仕事】

【自分の生まれつきの性質に合った職業】

【働いていて心から楽しめる仕事】

【自分が好きだと思える仕事】

【大きなやりがいを感じられる仕事】


が、あります。

このうち、最初の2つ【天から授かったつとめ】【神聖な職務】は、
【使命】と表現することも出来そうです。

天や神から与えられた仕事や役割ですね。

英語で天職は“calling
”です。

 

【呼ぶ】とか【呼び出す】という意味の“call”が基になっており、神から呼ばれた仕事=神から与えられた仕事ということでしょう。





それに対して、適職とは【
能力や適性に合う職業】と、ありました。

【能力や適性にふさわしい仕事】

【能力や適性にちょうど良い職業】


に、なります。

天職と適職。

似ていますが、違うところもある。

それは、天職が『心から楽しめる』『好きだと思える』『やりがいを感じる』というように、自分の意識や気持ち、感情面で、自分に合うと思える仕事です。

それに対して、適職は能力や適性に対して『適している』『ふさわしい』『ちょうど良い』といった、能力や適性が自分に合うとと思える仕事になります。


天から授かったと思えるほど好きで楽しめる仕事が天職であり、自分の強みや長所、得意なことを活かして働くのが適職といえます。

スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんは、以下のように説明されています。

『適職とは、あなたが生まれつき持っている資質の中で、「お金を得ることができる技能を生かした職業」。
たとえば、「私は気配りすることが得意」という人がサービス業に就いた場合、それは「適職」になるでしょう。』


天職の『心から楽しめる』『好きだと思える』『やりがいを感じる』というとらえ方は、趣味にも似ています。

私の知人に『担ぎ屋』さんがいます。

担ぎ屋とは、お祭りの神輿を担ぐ人です。


少子高齢化で、お神輿を担ぐ人が減っている。

しかし、神輿が無いと祭りにならない。

そのため、お金を払って担ぎ手を雇うことがあります。

本業は八百屋さんです。

昔からお祭りが大好きで、趣味でお神輿を担いでいましたが、今は方々の神社から声が掛かり、今では東京の三社祭のお神輿まで担いでいます。

本人は「お神輿を担ぐのは天職だ」と言っていますが、担ぎ手のご祝儀は「数千円から数万円」程度。

それも、毎月あるわけではありません。

趣味と実益を兼ねており、お神輿を担いている時は本人にとって天職ですが、これでは生活が成り立ちません。



ところで、そもそも仕事や職業ってなんでしょうか?

私は仕事とは
【価値の提供により対価を得ること】だと考えています。

なんらかの価値を顧客や市場に提供すること。

それにより、顧客や市場は恩恵をこうむるので、対価を支払います。


それが報酬やお給料になるわけです。

天職よりも適職のほうが、顧客や市場、マーケットを、より意識しています。

自分主体に物事を考えたり行動することを【自分軸】、相手主体に物事を考えたり行動することを【相手軸】といいます。

そこで、天職は自分軸、適職は相手軸とも言い表すことが出来ます。

天職と適職。

実は、18年前にキャリアコンサルタントとして活動を始めたとき、
私は天職を強く意識していました。

当時はまだキャリアコンサルタントという資格や職業があまり認知されていなかったので、
自分の職業を他者へ説明するときに『天職カウンセラー』『天職コンサルタント』と伝えていたこともあります。

しかし『天職』が『転職』と受け取られることが多くて、天職カウンセラーや天職コンサルタントという肩書は、すぐに止めてしまいました。

また、私自身の職業観や仕事観が、『仕事とは、価値を顧客や市場に提供すること』と、定義するようになったので、天職よりも適職のほうがしっくり来るようになりました。

次回は、この適職についてもう少し具体的に記します。

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