高校生の就職ガイダンス。
最近は、アルバイト禁止の学校も多く、『自分が働くこと』のイメージがわかない生徒さんがたくさんいらっしゃいます。
そこで、まず就職ガイダンスでは、過去や現在のテーマから始めます。
たとえば、「自分の強み・長所」を書き出すワーク。
でも、これをなかなか書けない生徒さんもいます。
自分の得意なことや強みは、当人にとって自然に、普通に出来てしまうので『当たり前』になってしまい、得意とか強みだと気付かないことが多いですね。
その場合、3人から4人程度のグループになって、相手の良いところや長所を語って頂きます。
普段、相手の強みや長所を話し合う機会が無いのでしょう、お互いに照れ笑いを浮かべてニヤニヤしていますが、時間が経過すると、和気あいあいとなって、結構盛り上がってきます。
意外と、真面目に取り組んでくれます。
ちょっとヤンキーっぽい生徒さんがいるときは、あえて真面目そうな生徒さんとヤンキーっぽい生徒を同じグループにして、先に真面目そうな生徒さんにヤンキーっぽい生徒の良いところを語ってもらいます。
面白いことに、ヤンキーっぽい生徒さんは、「そうそう、俺もそう思っていたんだ」「やっと気づいた、俺の良さに」と言って、嬉しそうにしています。
その後、ヤンキーっぽい生徒から、真面目そうな生徒の良さを語ってもらいます。
ヤンキー君、きちんと見ているんですね、周りの生徒達を。
たいていのヤンキー君は、観察力がとても優れています。
「おまえの良いところは、休み時間に友達に勉強のわからないところ教えてやったりして親切だよな。」
「おまえはさぁ、部活終わったあとも自主練習してたんだってな。だから、県大会出れたんだよ。人から言われなくても出来るなんてすごいよな。」
このような、的確なコメントをしてくれます。
最後に、私からそのヤンキーっぽい生徒さんに、
「今のお話しを聞いて、あなたはそうやって周りを見る観察力が素晴らしいですね。」
「それを、きちんとコメントも出来る。見て、気付き、伝える。それがあなたのもう一つの良いところですね。」
とフィードバックします。
ワークを始める前は、真面目な生徒さんとヤンキーっぽい生徒さんの間に溝というか、お互い距離をおいている雰囲気がビンビン伝わってきますが、ワークの後はその溝が少し浅くなり、少しだけですが距離も縮まったように感じられます。
他人という鏡を通して、初めて自分の才能や強み、長所に気づくことが出来ます。
また、ヤンキー君と真面目な生徒さんといった、まったく違う鏡で自分を見ることで、今まで気付かなかった自分を知ることが出来ます。
就職ガイダンスとは、キャリア教育です。
私は、就職ガイダンスをとおして、就職するための知識やテクニックではなく、成長の場、学びの機会にしていきたいと考えています。
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