今日はヘッドレストについてです。
クルマや新幹線などの、シートに座ったときちょうど頭の部分についているヘッドレスト。
クルマの運転しているときにはあまり意識することはありませんが、あれってなぜついているでしょうか。
新幹線のシートなどの場合なら、座面にしっかりと腰をかけると、ちょうどヘッドレストが頭に軽く触れるので首をもたれかけると楽に座ることができます。
乱暴に言うと、枕のように使えるわけですね。
でも、同じヘッドレストといっても、クルマの場合はどうでしょう。
運転姿勢をとっているときにはヘッドレストって頭に触れることは(通常は)ありませんよね。
無理に首をそらせて身体をのけぞらすような姿勢になれば、頭をヘッドレストにあずけることもできますが、不自然だし、それだと運転もしづらいはずです。
つまり、クルマのシートに装備されているヘッドレストは、通常は乗員の頭を枕のように支えてくれているわけじゃないということ。
そもそも運転しているときには頭が触れることもほとんどありません。
ならば、なんでついているのか?疑問ですよね。
一時、ネットで、クルマが水没した際に、ヘッドレストを取り外しでガラスにたたきつければ割ることができる。自動車緊急脱出ハンマーになる!
なんて話題が拡散しましたが、実際にはクルマのガラスはかなり丈夫なのでそうそう割れないそうです。メーカーもそんなことは想定外、そんな役割はありません。
当たり前ですね。
閑話休題。
実は、ヘッドレストは実はその名前から誤解されているだけなのです。
多分ヘッドレスト、という名前のせいで、アームレストやフットレストなどと同じよなものだと思われているのでしょう。
でも、本当はヘッドレストは、楽な姿勢をとるために身体の部位をあずける枕ではないのです。ヘッドレストは英語で書くとHeadrestですが、その正式名称はヘッド・レストレイン。ヘッドレストのレストはこれを略したもので、実は休息や休むといった意味を持つrestではなくrestraint(レストレイン、制限するや拘束するといった意味)を略したもの。
つまり首をのせて休ませる枕ではなく首を拘束(衝突などを受けた際に)して守るものなのです。意外と誤解していた方も多いのではないでしょう。
このヘッドレストは「頭部後傾抑止装置」といいます。
つまりは安全装置なのですね。
なので、ジャマだからと勝手に取り外してしまうと車検に通りません。
絶対にやめましょう。
ちなみに新車当事にそもそもヘッドレストが装備されていなかったクラシックカーやヒストリックカーはその限りではありません。
なくても車検は通ります。
シートベルトなども同様ですね。でもあったほうが良い。
とはいえ、ヘッドレストはたとえ装備されていてもその役割があまり認知されていないのですから、正しく使えている方も多くはないのではないでしょうか。
ヘッドレストはいったいどのような役割をもっているのか。
それは、クルマが追突されたり、何かに衝突したなどの事故にあった際に、乗員の首が受けるダメージ、例えば鞭打ち症などの傷害を低減するために装備されているものなのです。
では、どんなメカニズムで首を守るのか?
もし、クルマが追突されたらドライバーの首はどうなるでしょう?
身構えていない状態で後方からの衝撃を受けると、背もたれで支えられシートベルトで拘束されている身体は一気に前へと弾き飛ばされます。
でも体重の約10%の重さを持つとされる頭は、シートに固定されていないのでその場に残ろうとします。結果、首が一気に後ろに持っていかれてしまい、頭と体を繋ぐ首に大きな負担がかかって、結果むち打ち症になってしまうというわけです。
むち打ち症は、一見外からは分かりにくいですが、軽症に見えても神経に重大な損傷を及ぼしていることもあります。
そして、後遺症として頭痛や肩こり、手足のしびれ、めまい、耳鳴りなどの症状が表れ、そんな症状に何年にもわたって悩まされることもあるといいます。そんなつらい思いしたくないですよね。
財団法人 交通事故総合分析センターの調査によると、交通事故の約1/3が追突事故で、さらに頸部(首ですね)に損傷を受けているケースが90%にもなるのだそうです。
つまりむち打ち症になっている人が非常に多いということ。
車体の安全性は年々高まっているので、死亡事故は減っているそうですが、それに反して負傷事故はむしろ増えている。さらに首を負傷するケースが多いということは、ヘッドレストの役割が非常に重要ということなのです。
でもヘッドレストがついていればそれでOKというわけではありません。
ヘッドレストは、正しく調整されていないと、その役割を果たしてくれません。
調整はまず上下位置を合わせます。通常高くする場合はヘッドレストはそのまま持ち上げればいいはずです。逆に低くする場合はヘッドレストの基部にあるロックノブを押しながら下げればいいでしょう。ヘッドレストの上端がドライバーの頭のてっぺんと同じ高さになるように調整してください。もしくはヘッドレストの中央部が耳の高さになるように調整します。
ようは頭を後ろに傾けた際にヘッドレストの上部に頭が乗り上がらず、しっかり首を支えられる高さにするのです。また、前後方向の調整機能があれば、できるだけ後頭部に近づけた(5cmほどの隙間を開ける)位置に設定しましょう。次にクルマに乗る際には、これを参考に是非一度再確認してみてください。
より安全性の高いヘッドレストとして最近はアクティブ・ヘッドレストというものもあります。これは、どういうものかというと、衝突などを受け、シートバックに乗員を押し付けられた際、そのシートが乗員を受け止める力を利用してヘッドレストを瞬時に前方へ移動させるというものです。通常のヘッドレストより、より積極的(アクティブに)に前席乗員の頭をしっかりと支えて首への負担を軽減してくれるというもの。
日産自動車のデータによるとこの機能によって、衝突時に首を曲げようとする力の発生を約45%も軽減する効果があるのだとか。
とはいえ、このアクティブヘッドレストもキチンと頭の位置があっていないと意味がありません。せっかくヘッドレストが前方に移動しても、そこに支えるべき頭がなければまったく効果が発揮できないですから。
ヘッドレストの調整の必要性は、ドライバーだけでなく乗員全てに対して言えることです。もし同乗者がいる場合は、シートベルトの装着と合わせてヘッドレスト位置の調整も気をつけてあげましょう。
でも、中には愛車の後席にヘッドレストが装備されていないというケースがあるかもしれません。実は車種やグレードによって、後席にヘッドレストが装備されていないそんなケースも残念ながらあるのです。
そういったクルマの場合、オプションで追加できるものもありますが、そもそも設定されていないというクルマも中にはあります。乗員の安全を考えれば、ヘッドレストはシートベルトと同様に必須の安全装備。
そもそも、貨物車であるバンなので後席は一切使わないとか、2ドアクーペで後席に人を乗せること自体物理的に困難などというケースでもない限り、筆者はヘッドレストの設定のないクルマは極力選ばないのが懸命と考えます。
クルマの買い替えを検討する際にも、まずは後席ヘッドレストの有無は必ずチェックするべきでしょう。もしそういったクルマであれば、それは安全性を軽視しているわけですから、考え直したほうがいいかもしれません。それほどヘッドレストは重要なものなのです。
CALL:090-1573-1573 (加藤)
MAIL:info@cardept-nagoya.com
#買い付け #中古車販売 #オークション #鈑金 #修理 #買取 #オートオークション

