メルセデス ベンツ W219 CLSクラス ヘッドライト

今回は、表面の劣化が特に激しいケースでのリペアと、
内部のクリーニングにて、どこまで綺麗になるのかをお伝えします。






『 ここまで痛むと、もう透明感は出ないよね? 』

『 綺麗になってる画像、あれ、ウソでしょ? 』


ご依頼前には、ほとんどの方が諦めていらっしゃいますが、最後には、


『 捨てようと思っていた物を下取りに出し、新品が帰ってきた・・・』

『 同じ物だと、今度は周りの仲間が信じてくれない・・・』


など、喜びのお言葉を頂戴します。







経年劣化により表面が黄ばみ、内部が白ボケて清潔感を失ったライト。

日中や、ライトONでヒビが目立ち、クルマ全体の清潔感まで奪います。








さて、まずは完成した状態です。 ※同じ物です

至近距離から見ても、『加工感』の無い、スッキリした仕上がりです。






クリア樹脂の表面を覆うUVコートが劣化し、樹脂自体にもダメージがあります。
ワックスなどの油分や、その場しのぎのケミカル剤、磨き過ぎなどが原因です。

これを取る為、目いっぱい機械で磨くのはオススメしません。
ダメージが進行し、取り返しのつかない状態を早めます。(ヒビなど・・)






リペア後は見違えます。 (内部クリーニングもしています)






光が当たると、ヒビや内部の曇りが更に目立ちます。
夜間は光量不足かつ、光が前に飛ばないと思います。





見た目、性能、手触り、保護力など、全てを復活させる事が可能です。


その方法と取り組み方を、解りやすくご紹介させて頂きます。







まず、サンドペーパーを使い、劣化した表面を徹底的に除去します。


画像では解りにくいですが、黄色い研ぎ汁がいつまでも出ます。
樹脂にまで及んだヒビの底まで研ぐので、根気の要る作業です。







粗目~細めと研ぎ進み、注意深く、磨いた傷を慣らしていきます。

振動や熱を加えたくないので、全て手作業です。

この作業で、飛び石傷や線傷など、ほとんどが消えます。






↑画像は別のライトの物ですが、研ぎの作業が甘いとヒビが残ります。
下手に磨きだけで放置した場合や、その施工自体でこのダメージを負う事も。


ヒビが裏面まで達する深いダメージを負っていると、
このようなヒビが消えず、残る事があります。
大体が、ほとんど目立たなくなりますが、参考にしてください。






傷1本残らない所まで磨き込み、表面のコートの為マスキングします。






完全防塵ブースにて、UVコートを吹き付け、焼き付けます。

劣化が激しい場合、コートが乗らないので、1からやり直しです。
また最初から研いで、コート作業を・・ と、3回やり直すケースもあります。






無事にUVコート加工が終わり、表面はツルツルです。


表面が荒れている場合、内部のクリーニングだけでは見た目の変化はありません。

予算が限られている場合は、程度を見極めて施工する順番を決めます。


ここからは、内部の曇りを一掃するべく、分解クリーニングを実施します。






特殊な方法にて、内部を完全に分解し、細かくクリーニングします。
内部のパーツはとてもデリケートなので、細心の注意が必要です。

この状態から、手の届くクリーニング作業が、基本クリーニングです。







クリアカバーの裏面です。
光を透かすと真っ白に光を拡散しています。





クリーニング後は、正にクリアーです。
洗浄で取れない場合が多く、超微粒子の特殊なコンパウンドで仕上げます。


画像では少し傷が見えますが、このように光を当て、無傷まで持って行きます。
ここからでしか見えない、微細な傷を処理していくのです。

この作業が見た目の透明感には大きなポイントです。
無傷で仕上げるのに、経験とテクニック、様々な品物が必要です。







今回は更なる美しさを求めて、フルクリーニング作業も。

ロービームのプロジェクターランプユニットも分解です。
表面を拭いても不完全なので、これも分解し、クリーニングします。

内部のフルクリーニングと呼んでいる作業です。







プロジェクターレンズ、HIDランプを反射するリフレクターを隅々まで洗浄。

光が拡散する事なく、性能が復活です。(新品より綺麗な状態です)






ウインカー部、ハイビームなども単品にし、丁寧に仕上げます。

内部のリフレクター部品は強い洗剤や普通に拭く等、ご法度です。
触れる事を前提としていない表面なので、かなりデリケートで、
剥がれ易く、傷が着けば目立ち、復元は無理なのでテクニックが必要です。






ライト本体内部も隅々まで汚れを取り、エアーでホコリなどを吹き飛ばし、
強力な光で細部を確認しながら組み立てていきます。

また、本体の底面にある大きく開いた通気口にもフィルターを仕込み、
今後の汚れにくさを大きくアップする施工もいたします。(効果は倍以上です)






内部から防水処理し、しっかり密着させ、
最終ポリッシュし、最強のガラスコーティングを施工して完了です。

ガラスコーティング作業はオプションです。






施工前は誰もが新品交換を悩む状態でした。






施工後はどこから見ても、新品と遜色の無い仕上がりにまで復活します。


ライトの本体や、周りを覆うラバー部品も汚れを取り、風合いを良くしますので、
どこから見ても清潔感があります。







日中の光にも白ボケ感は無く、表面のカバーが無いと思うほどの透明感。
もちろん、ライトON時も無傷で、突き抜ける透明感です。

新品は40~50万円と高価なライトですので、ぜひご参考になさってください。
今回のケースでは、その4分の1程度の施工価格です。



W219 CLSヘッドライト クリアカバーリペア&分解クリーニング



完成です。