フェラーリ575M マラネロ ヘッドライト

今回は関東のオーナー様のご依頼を受け、分解クリーニングを実施します。


ディーラーにて点検中に取り外し、送られてきたライトです。

一見して綺麗に見えるのですが、内部の曇りやシミが多く見られます。







左右共に内部のシミが確認でき、全体的に曇った印象です。
新品価格は左右で120万以上します。


今回はその4分の1以下の価格にて、新品以上の仕上がりを目指します。

数々のオプション的な工程が踏まれますが、参考になさってください。




まずは↑完成画像です。
内部の全てを完全にクリーニングし、様々な手数を踏み、完成しています。


それらの作業によるマイナスポイントは皆無。
破損や問題などなく、全てが純正、元通りです。

一つ付け加えるならば、新品以上の美しさと断言できます。

その工程のポイントと取り組み方など、画像を交えご紹介させて頂きます。





まずは分解です。
強力なゴムラバー接着なので、かなり繊細な作業&時間を要します。

ライトに付属するパーツ類なども丁寧に取り外して行います。





テストにて、まずは画像右のみ、内部をクリーニングし、簡単に組んでみます。

熱や経年で付いたシミや曇りを、ポリッシュしてリセット。
これだけでも見違えて透明感が戻ります。


ここまでは基本的なクリーニングですが、

これより、新品を上回り、これからの曇りも数段に軽減する作業・・・
フルオーバーホール+フルオプション作業を実施します。





ライト本体から、ライトユニットを取り外します。


これだけでも、かなり困難な作業ですが、一切の問題なく進めます。

本体内部も、微細なホコリなどエアーで吹き飛ばし、クリーニングします。





更にライトユニットから、ロービームユニットを分解。

プロジェクターランプをクリーニングします。





プロジェクターレンズは裏面が強く曇り、光を拡散しています。





クリーニング後はスッキリとクリアーに。
背後に見えるリフレクター(反射板)も、曇りを取り、光量を取り戻します。





ライトユニットを組み上げました。
ハイビームの反射板も曇りを取り、これでランプ類が最大の仕事をします。






元通りに本体にセットしました。






さて、次は内部のパネルですが、元の仕上げが荒いですね。
こちらも分解し、美点アップします。





分解しますが、デリケートなので最大の注意を払います。





ポリッシュ(磨き)完了。
ミニポリッシャーを使い、粗かった表面を美しく仕上げました。





丁寧に洗浄し、組み付け完了。
ビシッと引き締まり、清潔感がアップしました。





内部に微細なホコリや拭き傷など、一切無い事を強力な光を当てて確かめ、

全てを組み付けます。

黒いシリコン系の防水ボンドが乾けば、純正と同等の仕上がりです。
丸1日おけば、完全に乾燥します。





更に、ライト本体の底面にある、数点の空気の通気口を外し、
この内部に埃の進入を防ぐフィルターを取り付けます。
長い目で見て、とても高い効果があります。





各種、ランプの交換も。
車体に付いている際は、とても困難な作業ですので、この際に。
この状態でさえ、少し難しいと言えます。




各部、防水など強化しながら、しっかりと組み付けます。





更に、今回は温度差にて生じる内部の結露を懸念し、
本体の裏面、背面に熱反射シートを貼り付けました。

フロントエンジンの場合、洗車後や、冷寒時に効果があり、
また、経年による曇りや劣化にも効果大です。





表面ポリッシュ&ガラスコーティングを施し、付属品全てを装着。

Ferrari 575M maranello ヘッドライトクリーニング、完成です。



余談ですが、

当初経験から、この作業に大反対だった某ディーラーマン達は、

届いたライトを見て驚き、新品以上だと漏らされたそうです。
(当店にはダメ元で、新品がスタンバイしていたようです)


何より、隅々まで美しさに拘る、

目の厳しいオーナー様に喜んで戴けて冥利でした。