二月の月。 | キャラメルカフカリティ
漆黒のカーテンが音もなくとじて、
つめたい街に夜が訪れる。
煙のような白い息。
今夜は寒いから月の喫茶店でまちあわせしよう。
夜空をすくって淹れた珈琲をおごるよ。
星屑の粉砂糖をぱらり。
天の川クリームをとろり。
ほろにがい宇宙の香り。
そんなことをかんがえながら、ためいきひとつ。
白い煙がマーブル模様をえがいて、
珈琲色の空にとけて消えた。
夜天には象牙色の重い月。
しょせんはただの思いつき。
月光のサーチライト。
暗い夜にこそ、心は明るみにでる。
冷えた二月の空想夜日記。