有川浩/著「阪急電車」。
積読を解消していかねば・・と思い読み始めたら、するするすると物語に引き込まれていきました。
「図書館戦争」を読んだときにも感じたことだけど、読後の爽やかさ、読むと楽しい気持ちになれるという作家に対する安心感、人間描写の巧みな筆致、などなど有川さんが支持される理由がよくわかります。
時々眩しいくらいに甘いけど、それもフィクションだから心地いい。
同じ路線ユーザー同士の、それぞれの人生・物語が交差する瞬間を描くという、読み手にもリアルな手触りがある題材を、しかし巧い切り口で描いた、素敵な一冊です。
読むぞ～と構えなくとも楽しく読書することができる、いい意味でとても近しい作品でした。