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よしながふみさんの対談集「あのひととここだけのおしゃべり」。


よしながさんはもちろんのこと、対談・鼎談相手がなんとも豪華な方たちばかりです。


三浦しをんさん、羽海野チカさん、萩尾望都さん・・・自分が好きな作家さん目白押しで、くらくらしました。


どの作家さんも、描くことに何か信念のようなものがあって、自分なりの定義があって、


楽しいとか、単に好きだから、という範疇をとうに越えたプロゆえの葛藤があり、


描くということはもうひとつの業のようなものなのかもしれないなぁ。


そうした、クリエーターとしての作家さんたちの、才能拮抗する作家同士だからこそわかりあえる、話しあえるのだろうなぁという内容が盛りだくさん。


それから、やおいとフェミニズムの話がとても興味深かった。


このあたりの話はかいつまんで話すと誤解を招きかねないので、ぜひ読んでいただきたいところです。


その中でも特に特に印象に残っているのが、日本やアメリカといった国は「恋愛」という宗教に侵されているという話。


常々自分が違和感を感じていて、だけど世間ではそれが当たり前のこととして存在する、というようなことはなかなか自分が提言する勇気も場所もなかったりして、


またマイノリティであるから共感してくれる人、というのもなかなかおらず、こうして本の中で同じようなことを考え、


しかも自分よりも更に更に肉付けされた考えと出会うことができる、というのは本当に本の素晴らしいところですね。