猫になりたい
君の腕の中
寂しい夜が終わるまで
ここにいたいよ
猫になりたい
言葉ははかない
消えないようにキズつけてあげるよ
*
猫になりたいな、私も今すぐにでも。
猫は、自分が猫だということを知っているのかな。
知っていて、「猫らしい」態度をとるのかな。
私は、自分が私だということを知っているつもりだけど、
最近は「私」という感覚すら、「私が」生きているという感覚が希薄なので、つまり今はその状態が私らしいということになるのかな。
自分の輪郭も、日々起こる様々な出来事もぜんぶ、ひたすらに遠ざかっていくような。
そんな毎日の中、棘に刺されたような些細な痛みで生きていることを感じさせられるのは、皮肉にも苦しみによってだったりして、
死にたいと思うことのみによって生きている矛盾した自分がいて、
毎日、大きな波がきては翻弄され、悶えて、ただじっと通り過ぎるのを待つしかない。
ハチクロの修ちゃん先生の波もこんなだったのだろうか。
感情というものがなかったなら楽だっただろうに。
衝動を衝動として認めて、ただそれに従えばよかったのに。
「寂しい夜が終わるまで ここにいたいよ」
「ここ」ってどこだろう。