PRISMIC


今日は朝からBunkamuraにて「トレヴァー・ブラウン&山吉由利子展 ―アリスの時間―」展を観にいってきました。


今日で最終日だったらしく、友達に昨夜誘われて。


ちょっとヤン・シュヴァンクマイエルとも通じるような世界観で、かわいい中にも毒が見え隠れ。


今年はディズニー映画に乗じてか至るところでアリス祭が開催されていて、嬉しい限り。


そして一旦Bunkamuraを離れ、懐かしきパリの味、ファラフェルを食べに松涛にあるお店へ。


ピタパンの中にたっぷりの野菜と、ヒヨコ豆のコロッケ、紫キャベツの酢漬け・・・これこれ!この味!!としばらくみんなで思い出に浸ってきました。


ランチの後はそれぞれの用事で別れたのですが、私はせっかくだし、またBunkamauraに戻って、気になっていた「モリエール~恋こそ喜劇~」を観ることに。


モリエールは文学史の授業で「町人貴族」を観て以来、興味を持ったまま手付かずになっていたのでいろいろと期待。


まずは脚本がすごかった・・・!


現在から過去の回想シーン、そしてまた現在へと戻る流れがすごく自然、かつ丁寧で、まるで自分もモリエールをよく知る一員になったかのような心境にさえ。


劇中劇も、劇中の台詞や人物の描き方も、それぞれ個性があるのに調和がとれていて、よく作りこまれた映画だなぁと素人ながらに感心しました。


登場する俳優さんに見覚えのある人が多く、それもそのはず、主演・モリエール役のロマン・デュリスとムッシュ・ジュルダン役のファブリス・ルキーニは共に「PARIS」に出演していた俳優さんたちだった!


そして今回も本当に妖艶、お色気たっぷりで美しかったセリメーヌ役は、「リリィ」や「八人の女」、「スイミングプール」などフランソワ・オゾン監督作品に登場したリュディヴィーヌ・サニエ!


彼女は「リリィ」を観てその存在を知ったときから、私の中ではこれぞまさにフランス人女性の少女性と妖艶さを兼ね備えた、フレンチ・ロリータの体現者というイメージなのです。


そして今回初めてお目にかかる女優さんですが、その仕草や容姿の美しさに終始心を奪われたのは、マダム・ジョルダン役のラウラ・モランテ。知的で、凛としていて、まさに憧れの淑女です。


こうやって振り返ってみると、錚々たるメンバーですね・・・。


演技も見事でした。


特に主演のロマン・デュリスがムッシュ・ジョルダンに演技を指導するシーンで、自身がみせた馬の演技は鳥肌モノでした。


映画全編を通して、まさに「喜劇」と呼ぶにふさわしい内容で、終始客席から笑いの耐えないすてきな映画でした。


『流した涙より、笑顔のほうが多かったわ』とは、劇中でのある人物の台詞ですが、そんな風に断言できる人生になれば本当にすてきです。