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地元の図書館にて、読んでみたいと思っていた本のうちただ一冊だけ借りれた、三浦しをんさんの「光」。

これまでの作風とは異なる、という評は聞いていたのですが読んでみてなるほどと思いました。

救いがなさすぎるというレビューにも、読後の虚無感を味わってほしいというレビューにも頷ける。

私個人の感想としては、タイトルである「光」に反して、光には必ずつきまとう「影」を描いた作品のように感じられました。

そんなことを思いつつ頁をめくってタイトルバックを見ていたら、英訳タイトルが"The Dark Light"となっていてドキッとさせられました。

読み始めてから読み終わるまでずっと胸を抉られるようで、読み終わってからも後味の悪さが消えません。

これは作品が悪いという意味ではなくて、作者がそれだけ妥協をしなかったということのように感じます。

これが私小説でないにしても、楽しくて幸福な物語より、悲しみや苦しみを描く方がずっと作者の精神力を要すると思うから。

作者に技量があるだけ、自分の精神的状況を鑑みると読むタイミングを間違った感は否めませんが(笑)

早くバチスタシリーズに戻りたいけど、さすがにレポートを片付けなければ…°・(ノД`)・°・