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第4回このミステリーがすごい!大賞受賞作、海堂尊さんの「チーム・バチスタの栄光」をやっと読むことができました。

読み始めたら止まらなくなって、上巻の後半からラストにかけては一気読みでした。

夏は俄然ミステリーが読みたくなる私を大満足させてくれる作品でした。

最近はブンガク的作品に傾倒している感があって、エンターテイメントと括られる小説(小説だけに限った話ではないですが)は代替品がたくさんある、いわばお手軽な消耗品、とどこか軽薄ささえ勝手に感じていたのですが、こういった圧倒的な筆致や巧妙で純粋におもしろいと感じさせるストーリーだけでなく、その裏々に作者が真摯に訴えたいことが伝わってくる作品に出会うと、自分が嫌悪を感じていたのは作品でも作者でもなくて、それらを"エンターテイメント"というお気軽な呼び名で商業の幕に覆ってしまう風潮だったんだな、と気づきました。

(すっごく偉そうなことを言うようなのですが)"エンターテイメント"のお祭りの舞台に引き上げられても失われない作者の真摯なメッセージを受け取ったように感じました。