Istituto Europeo di Design(IED)は3年制コース(大学)とマスターコース(大学院)に分かれています。IED(イエド)にはトランスポーテイション・デザインを始めとして、プロダクトデザイン、イラストレイション、ファッション、建築、マーケティングなど様々なコースがあります。ヨーロッパではカーデザインの学校として有名です。
"Scring" by 高妻聡 身近な存在で決まった形を持たない"水"のイメージをステアリングに融合。スピードメーター、タコメーター、ウインカー、ガソリン残量といったインパネに表示されるものをすべてステアリングに集約させ、各々の機能を水の流れで表現します。透明感を目で、せせらぎを耳で、温度を肌で、という具合に五感で水を感じとり運転中に受けるストレスを和らげる効果を意図。主にストレスを受けやすい運転手を対象にしたステアリングです。また作品名は"Screw"と"Ring"を合わせた造語で、形状から由来しています。
"Steroad" by 高本毅 二輪車もしくは自転車用に見えるこのステアリングは、近い将来に一人乗りの4輪自動車が普及するだろうと見越して制作されたもの。従来とは異なる新しい位置付けの4輪自動車を想定し、足下でアクセル、手元でブレーキ操作を行うという4輪ながら自転車の運転感覚を追求したステアリングです。しかしこの運転操作の場合、どのようなシートポジションが理想なのかが疑問です。
"SAFE DRIVING" by 鍋島颯太 悪天候や夜間など視界が不十分な状況下における運転のサポートツール。スピーカーからは周囲の環境や渋滞などの情報が流れ、レンズ部はサーモグラフィーとなっていて人や物体の熱を感知することで周囲を把握できる仕組みとなっています。某アニメのスカウターを思い出させますが、意識して制作したのか個人的に気になるところ。
"Wheel-Run" by 黒瀬翔子 ホイールの視覚的インパクトで、周囲の視線を車に集中させることが狙い。走行中は速度によって脚の回転速度が変化し、脚の動作を見せることで車両のスピードを表現。バスやタクシーなどで利用されている静止ホイールのしくみを応用することで実現を可能としています。ホイールキャップのカラーヴァリエイションも展開したのは、外観のトータルバランスまで考えた結果でしょう。
"HOMESTAY" by 佐野友彦 運転のサポートと務めてくれるマスコット。平常時は両端の父子が殻に閉じこもっていていたって平和な状況ですが、安全運転を怠ると子の卵が赤くなって母が怒鳴り出し、父が殻から出てきて仲裁に入るも母と口論、そして子も殻を破って泣き叫び、収集がつかなくなるという顛末。迷惑極まりない親子3人のやりとりを見ないためにも安全運転を心がけましょうというのがこのツールのねらい。
"PALCA" by 石川智大 助手席にパッセンジャーがいなくても、車内のパートナーとして運転をサポートしてくれるプロダクトを提案。ヘッドレストに取り付けてジェットコースターの安全バーのような感覚で装着。運転手の精神状態によってさまざまなリアクションを起こし、楽しい時は青く光り、緊張状態や落ち込んでいるときは緑色に、眠気が襲ったり危険が迫った状況下では赤く光って肩を叩いて警告してくれます。ちなみに作品名は相棒の"PAL"と車の"CAR"を掛け合わせた造語。肩に当たる部分を肉球としたのは犬や猫を相棒として想定したからでしょうか。
"Inter ring - 植物と会話するステアリング" by 妹尾真由美/吉川千尋 自然に触れながら運転を楽しむスタイルを提案。ステアリングを植物園と見立て、運転手の脈拍数や周囲の状況によって草が生えたり実が膨らんだりすることで危険を知らせる仕組み。実はステアリングの一部にシリコンを採用し、その部分を膨らますことで再現します。また停車中にはスマートフォンからダウンロードした昆虫を飼って楽しむことも可能。植物を仲介役として車をもっと身近に感じてもらうことを目的に制作されたものです。
"Suji (筋)" by 久世峻大/中村優太郎 手綱からヒントを得たというステアリング。「人馬一体」をコンセプトとし、馬を操るように車を運転するという発想。車の動きを体で直に感じてもらい、人と車の距離を縮めることが狙いです。両腕を使うので実際には左右でワンセット。腕をはめ込んでグリップを握り(写真上のようなイメージ)、左右交互にスライドさせて舵を取る仕組みです。速度はグリップの握りの強弱で調節。強く握ることでブレーキがかかり、握りを弱めると加速、といった感じです。ゴーカートなどに採用してみると面白い気がします。
"aqulear" by 前原ひとみ 従来のステアリングホイールによる運転を廃止し、ドア側のアームレストにチルトホイールを組み込んで、指先で車を運転するという新感覚の発想。女性層を意識して、腕の負担軽減と汗のべたつき防止、日焼け対策を利点として主張しています。腕を置いた状態で操作するため、たしかに疲れにくいとは思いますが、指先の感覚が長時間運転に耐えられるのか疑問ではあります。青いカバーは水の中に手を入れている雰囲気を表現したとのこと。
"suit belt" by 渡邊泰介 サラリーマンの戦闘服がスーツであるように、ドライバーはシートベルトの着用が戦闘スタイル。これら2つを掛け合わせたものがこの"スーツベルト"です。装着することでスーツ着用時と同じ感覚を持つことができ、運転手の責任意識を高める効果が見込めるツール。安全運転を心がけてほしい想いがこの作品に込められています。装着については、襟の部分の裏側に仕込んだレールにシートベルトを固定してズレを防止。ネクタイの部分は耐衝撃プロテクターとして機能します。
"Eco-Note" by 服部新悟 若者たち(18歳~20代後半あたり)にエコドライブを楽しんでもらうためのツールを提案。シートベルトとして装着することでエコドライブモードが起動。すると音楽が流れ、テンポに応じてアクセルの踏み加減をライトの点灯・点滅で指示。これによって無意識のうちに「楽しくエコドライブ」が実現できるという発想です。これは青色のライトを想定していますが、車内の雰囲気に応じた色に切り替えられる機能があると、さらに心地よい空間を提供できるのではないでしょうか。
"eat" by 山本祐梨子 車内で快適に食事をとることを目的としたトレー。停車中の車内での使用を想定。膝の上に置き、落下を防止するためにシートベルトを利用してトレーを固定。サービスエリアでの休憩などに活躍しそうですね。個人的にはドリンクホルダーはひとつに絞って、フードスペースをもっと広くしても良かった気がしました。ちなみに運転中は危険なので使用できません。
"Zero in" by 森翔馬 運転を楽しみたいという人のためのステアリングを提案。通常はノーマルステアリングを装着しますが、ドライブに集中したいときに交換することを想定。グリップを握ることで緊張感が高まる、といった感じでしょうか。コーナーに差し掛かるとステアリングを切る量がグリップ部のインジケーターで表示され、オーバースピードであれば危険を察知してバイブレーションが作動する仕組み。運転手に注意を促すことで自ずと適度なステアリング操作と安全走行が身に付けられる、そのような意図も作品に込められています。
"Feelife" by 藤本暢子 車内で自然環境に触れられる空間を作り出し、親子一緒に楽しむことでコミュニケイション能力の発達にも繋がるというアイデア。プロジェクター(写真中)で天井に景色を映し出し、生物など興味を引くものを発見したらセンサー(写真下)を指に装着して対象物をスライドさせ、プロジェクター本体に保管。取り込んだ対象物は3D化して現れ、指を近づければあたかも触れている感覚を味わうことができます。 「生物を感じる」という意味を込めて"Feelife"と名付けられたのでしょう。
"Hansel & Gretel" by 齋藤拓馬 運転中に気がついたことを周りの車に伝えたり、ダイレクトに会話ができるツールを提案。使い方はボタン(Hensel、写真中)操作とマイク(Gretel、写真下)にコメントを発するだけで極めてシンプル。自動車同士のやりとりではウインカーやハザード、パッシング、手信号などの伝達方法がありますが、このツールではより詳細な合図が伝えられます。またコメントを道に残すことで、他車がその地点を通過した際にコメントを受信する仕組み。これを利用して道路や地域観光、店舗情報などの案内に応用することも可能です。
"Plymo" by 橋本想 購入後の経過日数や走行距離、乗車時間、男女の乗車人数、給油の履歴などを記録しておく腕時計型メモリー。携帯性にバリエイションを持たせるためバンド部は着脱可能とし、付属のパーツに付け替えてキーホルダーとしても使えます。肌身離さず常に持ち歩くことで車への愛着をより深いものにする狙い。ちなみに異性をどれだけ乗せたかを記録できますが、この発想は多くの異性を乗せたいという願望からでしょうか。