先にお伝えした2012-2013 日本カーデザイン大賞の、各賞の講評を公開します。
結果公開は
http://ameblo.jp/car-styling/entry-11444015548.html をご覧ください。
2012-2013 日本カーデザイン大賞(量産車部門):MAZDA ATENZA 「流れ」に始まったマツダのスタイル・テーマは「魂動」で躍動感を見せ,コンセプトカー“靭”(しなり)に余すところなく表現された.アテンザはそれより一回り小さいボディながら“靭”でのスタディを見事に活かし切り,バランスの良いフォルムに定着させた.
見る者が惹かれるのはそのぶれない造形姿勢にある.やり切った感のある半面,世界のスタイル・トレンドとしてはレリーフ・サーフェス調の手法が転換点を迎えつつあるという憂いがないわけではない.グリル・トリムの質感にも一考を促す余地はあろう.
しかしながらファイナリストに上ったホンダN-ONE, レンジローバー・イヴォーク,プジョー208,トヨタ・オーリスなどと比較して何ら見劣りするところはなく,ほぼ全員の意思でアテンザは最優秀と決まった.
2012-2013日本カーデザイン大賞(研究車部門):LEXUS LF-LC 今シーズンは世界各地のモーターショーにコンセプトカーと称する参考出品車が60台以上に及んだ.注目すべき作品は少なからずあったが,1月のデトロイトに出展された次世代スポーツクーペ・コンセプト“レクサスLF-LC”が1年を経ても色あせず,レクサス・ブランドにLF-S(03-04)に次いで2度目のゴールデンマーカー・トロフィーをもたらした.
強力なライヴァルとしてプジョー・オニキス(12パリ)のインテリアが推挙されたのだが,強烈で明快なスタイリングの提案性においてレクサスが優った.ピニンファリーナのカンビアーノ(12ジュネーヴ)もインテリアの素材で注目されたが敗退した.
2012-2013 日本カーモデリング大賞:MAZDA ATENZA アイデア・スケッチを魅力ある立体に仕上げるのはモデラーのスキルとセンスである.プロポーションのバランス,適正な面質とハイライト,グラフィックスの適合性など,モデラーはデザイナー以上に表現の力量が問われる.アテンザはデザイナーとモデラーの呼吸がぴったりと整合した成果といえよう.マツダのゴールデンクレイ・トロフィー獲得数は6本を数え,史上最多となった.
今回,アテンザに対抗する有力候補がなかったことを選考委員一同は憂慮する.商品化を急ぐあまり,デザインを練り込む時間がそれだけ短縮され,開発者たちの思いの発露が閉ざされ,あるいは停滞しているのではないか.
早い話が,日本車に関して言えば,欧州や韓国車を凌駕する気合の入った作品を待ち望んでいるのである.
<次回から読者も選考に一票を>
このインターネット時代にはデザイン賞といえども識者の卓見に従うばかりでなく,一般消費者の声を直接届かせるべきではないかという思いは数年前から模索していた.実行を阻んでいたのは無責任な投票や組織票で正しい結果が出にくいという危惧である.
そこで投票に参加する人たちの氏名・所属を登録制にして責任ある一票を促すという方法ではどうだろうか? 年齢性別を問わない.有力候補に上った車にかかわった人たちの参加も歓迎する.自薦OKである.
デザイン選びに関心のある読者が多ければ,自薦作品が埋没することもある.しかし一般の人たちの参加があまりに少ない場合は悲惨な結果になるので,これまでの選考委員にはコアメンバーとして選考に加わっていただく.
できるだけ多くの人たちに参加して車選びを愉しんでいただくために,選考基準を設けてはどうかという意見を何人かの識者から頂いている.よいデザインとは何か?を物差しで測るように分析して客観視するのである.全員が同じ物差しを持てばある程度の客観評価が可能になる.
自分の好き嫌いでデザインを語る主観的指向の人たちにはこの方法は向かないかもしれない.しかしなぜ好きなのかを分析してみれば納得のいく答えが見つかるだろう.デザインはよくわからないからと敬遠してきた人たちにもデザインの見方が解るはずであり,他人との評価の視点の違いも発見できる.どのような物差しを使うのかは後日提案するので賛否を問いたい.
読者参加型のデザイン選考に賛成か否かもメールかfaxでご意見を寄せてください.自動車のデザインを消費者みんなで考え,作る側に提案していける.そんな世の中にしたいと思いませんか?
ご意見を下記にお寄せください
メール:c-s@carstyling.co.jp
Fax:03-5155-1957
(文責・藤本彰)