数日前から、信号待ちや走行中にエンストするようになったというFC26セレナのオーナー様から飛び込みのご来店。
伺えば、
最初の頃はエンストしてもすぐにエンジンが始動してくれたが、ここ最近は、エンスト後の再始動に時間が掛かるようになって来て、ちょっと怖いという事で、インターネットでフリークを見つけて下さった様子。
しかしこのお車、半年前に車検を受けたばっかりでした。
ちなみに受けた所は、最近世間をにぎわせている所ではございません。
半年前の車検整備記録簿を確認。
タイヤ交換、ブレーキパッド交換などを行っています。
ところが・・・
スパークプラグ。
まさかのこの状態で、車検時お客様に交換提案してない??
というよりも、
色んな整備工場さんの作業後を触らせて貰っているから分かりますが、このセレナの車検、スパークプラグは全く見ていません。
そりゃ、これ外すのはちょっと面倒くさいですよ。
インテークマニホールドという部品を外さないといけない、スロットルボディも外さないといけない、、、他にもあれこれ・・・
だから、「面倒くさいから診ない!」という判断、作業担当者個人の判断で行われてしまっているのも、残念ながら起こってしまう事があります。
しかし、当然ですが、点検整備記録簿上は「問題無し!!」の点検チェックのレ点がしっかりと記されています。
ターミナル、中で折れています。
こんな状態。
しかも、
青さびまで出ています。
一体、何年前から折れてたの??
うわっ!
折れた面まで錆びてる!!!
このスパークプラグはずっと長い間、誰にも見つけて貰えずこの状態で頑張っていたのですね。
エアエレメント。
手で触ったら崩れて行きます。
もう、触っちゃダメ!!!ってレベルです。
写真左上の丸く欠けた箇所、ちょっと触ったらボロボロと崩れて行きました。
このエアエレメントも、一体どの位の間、誰にも点検して貰えずこの状態だったのでしょう・・・
この破片や粉末、全てエンジンに吸い込まれて行くのですが・・・
大丈夫なの、このエンジン・・・
エンジンオイル、LOWレベル。
しかも、お客様に伺えば、
「数日前に補充して貰いました」との事。
補充してこの状態?
しかも、エンジンオイル交換時期は、貼られているステッカーから見ても4,000kmもオーバーしていますよ!?
補充された整備士さんからの交換提案は行われていたのかどうか・・・
スパークプラグの様子からオイル消費もあると想像できます。
色々な提案があるべき車両なはず。
そしてバッテリー。
とんでもない状態。
と言いますか、預かった次の日、工場内でバッテリー上がりを起こしていました。
20CCA・・・
有り得ない数字。
このセレナのお客様、もしあと1日でも現状我慢して乗られていたら、道路上で車が止まって、そのままエンジンかからず大渋滞を作り、一人で押す事も出来ず大パニック・・・なんて事にもなっていたでしょう。
そしてデータモニター。
燃料噴射が3.63ms!!
一体どれだけ燃料吹きまくってるの??
このセレナ、そーとー燃費悪いでしょう!!!!
スロットルボディも当然真っ黒で、隙間も全てカーボンで詰まっていて飛んでもない状態!!
当たり前だけど、点検なんてされている訳も無く、掃除されている訳も無く、多分、「急速TAS学習?なにそれ??」って言われれのでしょうね。
エアフロセンサーもゴミだらけ。
キーフリーバッテリーも全然ダメ。
そしてドライブベルトも切れかけ・・・・
破断したらどうするつもり??
しかもこのお車、運転席以外には大量のお仕事道具。
つまり、お仕事で使われているお車って、少々整備代がかかっても、途中で出来る限り”止まらない・壊れない”という整備をする、提案するというのが整備士の大切な仕事でもあると考えます。
途中で止まって、エンジンかからない。
途中でベルトが切れて、そのままオーバーヒート&発電不良。
しかもバッテリーはこの状態なので、ほんの少しの退避移動すら出来ない状態。
お仕事車なのに、そして、たった半年前に車検を受けたばっかりなのに、こんな瀕死状態のお車なのはちょっと有り得ません。
運悪く交通量の多い所でトラブルが起こったりしたら、お仕事が一つ飛んでしまったとかいうレベルでは無い、最悪は大きなニュースになってしまう様な大惨事だって起こしかねない状態です。
低価格車検を提供する事は、お客様の命を守るより、お客様のお仕事を守るより、それら何よりも大切な事なのでしょうか。
大げさかもしれませんが、最悪の場合のリスクも考えて、しっかりと説明・提案する必要が、我々整備士にはあると思っています。
結局今回気付いた上記全てを提案し、しっかりと作業させて頂いて納車となりました。
※バッテリーはお客様がインターネットで購入。
ちなみに
エアフロ清掃後は、燃料噴射時間は1.95msになりました。
燃費も良くなりますね。
今回のトラブル修理では、
・エンジンオイル交換
・オイルエレメント交換
・オイルドレンプラグガスケット交換
・バッテリー交換(バッテリーはお持込)
・エアフロセンサー脱着清掃
・スロットルボディ脱着清掃
・スパークプラグ交換
インテークマニホールド脱着
エアダクト各種脱着
スロットルボディ脱着
・インテークマニホールドガスケット交換
・ドライブベルト交換
・エアクリーナーエレメント交換
・キーフリーバッテリー(CR2025)交換
以上の作業を行っております。
今回の修理ご請求額は、 \ 98,370- となっております。
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
<参考データ:車両走行距離 144,300km>
そういえば、スキャンツール補助金、発表されましたね。
詳しくはまた今度、ブログで書きます~!!
※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。
※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。
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愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました
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