先日グラスでいただいたワインの
写真を見ながら銘柄を確認していると、
TVでは富士山の山開きを報じていた。
静岡県側からの登山が可能になったが、
カメラは軽装の外国人を待ち構えていた。
2022 Mâcon-Villages
[Joseph Drouhin]は、
フランス・ブルゴーニュの白ワインだが、
僕の好きな産地でもある。
なかでも、このジョセフ・ドルーアンは、
ワインスペクター誌TOP100で
ベストバリューに選出されただけあり、
蜜香を感じる美味しい1杯だった。
富士登山に話を戻すと、
若年性認知症の妻はご来光を拝みに、
登頂をしたことがある。
そのために買った
LEKIのトレッキングポールが、
いまでも傘立てに刺さったままだ。
妻は富士登山の映像がTVで流れるたびに、
「いつ登るの?」と僕に尋ねた。
僕は富士山周辺には、
かつて仕事で何度も行ったことがある。
だが山頂には登るつもりはないので、
「僕が登ると富士山が喜んで、
歓迎の噴煙を上げるから登らないんだよ」
と訊かれるごとに返事をしていた。
富士山は火山である。
もし認知症の家族がいる家庭で、
火山が噴火したらどうしたら良いのか?
TVの映像を見ていて、
ふと、そんなことを考えてしまった。
木曽の御嶽山の例外はあったものの、
地震と異なり火山の場合には、
観測により警戒情報が発令されるので、
基本的には事前に準備をすることができる。
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https://www.bousai.go.jp/kazan/shiryo/pdf/20210510_tebiki_hinan2.pdf
風向きにより妻の故郷では降灰があるが、
ガラス質が混ざっているので、
目や呼吸器の防御がまずは欠かせない。
降灰時はスリップしやすいので、
クルマの運転には注意を要する。
ワイパーを不用意にかけると、
フロントガラスが傷つくことになる。
噴火の仕方によっては、
空振という衝撃波により、
窓ガラスに被害が生じることがあるため、
フィルムを貼るなどの対応が必要となる。
北側に浅間山を抱える長野・軽井沢町では、
火山側の窓への工夫を推奨している。
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https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/contents/1001000001009/simple/09-11P.pdf
ただし富士山が宝永噴火並みの
降灰をもたらした場合には、
首都圏では様々な機能停止が予測されている。
そのなかでも怖いのが長期停電である。
電柱にある絶縁体・碍子に
積もった火山灰が雨で濡れると漏電が起き、
大規模な停電が発生する恐れがある。
電気が止まれば、
受水槽式や直結増圧方式のマンションでは、
水道が止まる可能性がある。
また数日後、復旧し、
使用できるようになっても注意を要する。
給水管に溜まった空気により、
一気に大量に水を流してしまうと、
エアハンマー現象が起き管は破損してしまう。
電気だけでなく鉄道、
エンジントラブルにより飛行機も
影響を受けるためストップが予測される。
ただこういった被害は、
大量の降灰が予測されるエリアであるため、
認知症の家族がいる場合には、
被害が及ばないエリアへの避難が、
多岐にわたるリスクから回避できる
かなり有効な方法のように思える。
富士山が大規模噴火を起こした場合、
3時間後には神奈川や東京では、
ブラックアウトが発生する恐れがあるのだ。
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広域に被害が及ぶ首都圏では、
被害の規模が大きすぎるため、
救援する側の人手が足りなくなる。
援助を期待してもすぐには及ばないだろう。
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能登半島のように、
ひとつところで頑張ることは、
災害関連死などの実態を加味すると、
必ずしも正しい選択であるとはいえない。
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様々な個々の事情はあるだろうが、
生活上の不自由による不安やストレスから、
アルツハイマーなどが進行し、
介護度が上がる可能性すらあるので、
一時避難も選択肢に加えたほうが良いだろう。
※7/13(土)は通常更新とします。
代わりに7/14(日)は休載となります。