先週の家族会でのこと、
アルツハイマー型認知症のご主人の病名が、
前頭側頭型に変わったという話が、
奥様の口から飛び出し「えっ!」と驚いた。
昨夜(6/24)の『クローズアップ現代』は、
「“誤診”される認知症 適切な治療を受けるには」
というテーマで放送がされた。
⇩ ⇩ ⇩
認知症の中で最も多いアルツハイマー病は、
認知症全体の67.6%となっているが、
ある研究によると、
臨床で診断された人の約4割が、
アルツハイマー病ではなかったと報じられた。
ちなみに認知症は、病名ではない。
厚労省のサイトによると、
「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまっ
たり、働きが悪くなったためにさまざまな障
害が起こり、生活するうえで支障が出ている
状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。」
と、状態のことであると書かれている。
⇩ ⇩ ⇩
認知症を引き起こす病気の代表が、
前述のアルツハイマー病であるが、
この病は「神経変性疾患」に分類される。
「神経変性疾患」に属す病気には、
レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、
神経原線維変化型老年認知症、
嗜銀果粒性認知症、ALS-D、PD-D、
ハチントン病などがある。
「脳血管障害」に属す病気には、
血管性認知症、ビンスワンガー病、
CAAなどがある。
「その他の原因疾患」は、7つに分類される。
①内分泌・代謝性中毒性疾患
甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、
ビタミンB12欠乏、ビタミンB1欠乏、
ミトコンドリア脳筋症、低血糖症、
アルコール関連脳症、薬物中毒など
②感染性疾患
クロイツフェルト、ヤコブ病、脳寄生虫、
髄膜炎、脳腫瘍など
③腫瘍性疾患
脳腫瘍(原発性、続発性)、髄膜癌腫症など
④外傷性疾患
慢性硬膜下血腫、後頭部外傷後後遺症など
⑤脳液循環障害 正常圧水頭症
⑥中枢免疫疾患
神経ベーチェット、多発性硬化症など
⑦その他 サルコイドーシスなど
⇩ ⇩ ⇩
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000519620.pdf
初期症状が他の病気と似ていると、
専門医でも悩むことがあるようだ。
若年性アルツハイマーと診断されたが、
2年後に物忘れ以外の症状が出たことで、
再検査したところ、
多発性硬化症という中枢免疫疾患に属す、
認知症であることが判明した40代の方が、
番組では取り上げられていた。
診断が異なると、
適切な治療法が受けられないため、
症状は良くなるどころか悪化することもある。
うつ病と診断され、
抗精神薬の治療を受けていたものの、
他の症状が出てきたために、
レビー小体型と診断されたケースも、
番組では取り上げられていた。
治療薬が変わったことにより、
薬の副作用であるジストニアと思われる
症状が解消されたという。
ただし一般的な認知症診断の場合、
1回だけの検査では終わらないため、
検査を重ねるうちに、
病名が変わることがあるという。
当初の診断病名とは、
異なる症状が出てきた場合には、
再診断を受けた方が良さそうである。