アルツハイマー型の若年性認知症の疑いで、
妻が受診したのは2019年1月末だった。
翌月に画像検査の結果が出て病名が確定した。
振り返ってみると、
その3年ほど前から疑わしい症状があった。
だが更年期による一時的なものと
峻別できず受診までに時間を要してしまった。
もう少し早く受診していれば、
急激に進行しなかったかもしれないが、
その一方で病気でないと思っている
本人の受診は容易ではなかっただろう。
しかし健康診断のときの採血で、
将来アルツハイマー病になるリスクが、
発症前にわかるようになれば、
脳神経内科や精神科などに、
苦労をして本人を連れて行かなくて済む。
血液検査によるそんな精度が高い
予測が可能となる技術手法を
東京大学などのグループが研究発表した。
早期発見・早期治療に繋がる検査は、
現在でもあるのだが、
体への負担が大きな脳脊髄液の検査や、
高額な費用負担となる脳画像検査が必要で、
認識が薄い未病状態ではハードルが高い。
東京大学大学院の岩坪威教授などのグループが、
国際的医学雑誌に発表したのは、
無症状の人の血液中から
アルツハイマーの原因物質といわれる
タンパク質・アミロイドβと、
リン酸化タウ217を組み合わせ、
分析することにより、
脳内でのアミロイドβ蓄積状況を
予測する手法で、年齢などの情報を加えると、
精度は90%以上になるという。
この検査が一般健診などで可能になれば、
抵抗なくアルツハイマーリスクがわかるので、
「認知症予防」にとっては、
かなり有効性が高いといえるだろう。
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