月に一度の面会日

1ヵ月前からの仕込みが叶った。

このひと月、妻の故郷のいとこ姉妹

TDL行で上京するのに合わせ、

面会計画を進めてきたのだった。

 

若年性認知症の妻の入院先に近い駅まで、

羽田空港から直行バスに乗ってもらったが、

辿り着けるかどうかちょっと不安だった。

 

幸いなことに妻のきょうだいのひとりが、

有休を取り、羽田までいとこ姉妹を出迎え

そのまま直行バスで同行してくれた。

 

直行バスの到着駅で僕と合流し、

長旅のエネルギーチャージとして、

ゆっくりランチを摂ってもらった。

ほぼ5年ぶりのよもやま話をしたあと、

妻のいる病院へと向かった。

 

15分間の面会だが、ひとつだけ問題があった。

面会人数は最大3人までと決まっている。

いとこ姉妹と妻のきょうだいで3人となる。

きょうだいとは5ヵ月ぶり、

いとこ姉妹とはコロナ前以来となるため、

僕は事務手続きだけを行い、

エントランスフロアで待機することにした。

 

5年ぶりのいとこ姉妹に、

どんな反応をするだろうか?

いとこの妹は妻とは同級生で、

幼稚園、小学校、中学校、高校まで一緒だ。

ともに育ったようなものなので、

妻は認識できると信じていた。

 

 

身近いようで長い15分間が過ぎ、

20分近く経ったとき3人が戻ってきた。

そして早速、妻の様子を報告してくれた。

 

信じていた通り、いとこの妹には、

妻は反応を示したという。

しかも僕が考えていた以上の反応を……。

 

故郷の訛ったイントネーションで、

いとこの妹が話しかけると、

そのたびに笑顔を見せ、

頷きながら話を聞いていたというのだ。

 

妻の笑顔なんて、何年ぶりだろうか?

だが、いとこの姉ときょうだいには、

あまり反応を示さなかったとか。

それでも僕とふたりのときよりは、

マシだったのかもしれないが……。

 

いとこ姉妹と一緒に撮った写真を

次回は妻に見せてあげようかな……。

 

▲いとこのお姉さまから高級品の手土産。残念ながら

生ものはNGなのでkeroぴょんが独占します

 

※本日は臨時更新しました。その代わり、

5/26(日)は休載させていただきます。