妻が入院中の病院からのリストに基づく、
特養探訪はあと1ヵ所を残すだけとなった。
とはいえ、1ケタ台しか足を運んでいない。
実家から遠いところは行きにくいので、
ある程度エリアを決めているためである。
面会しづらい場所を選ぶくらいなら、
いっそ妻の生まれた九州南部のほうがいい。
連れて帰るのは容易ではないが……。
お邪魔した中で内部まで見学できたのは、
そのうちの半分だったが、
強烈なインパクトを受けた施設があった。
どんなインパクトかといえば……。
高台の斜面に面した施設は、
平屋だと思っていたら入口は最上階で、
特養フロアは階下にあった。
最初は理解できず、
「何故エレベーター?」と思った。
エレベーターを降りると、
左手に食堂を兼ねた共有スペースが見えた。
まずはその奥にある居室を見せてくれるという。
従来型の多床室だが、
緊急のコ-ルも押せない全介助の妻には、
4人部屋くらいがいいと、
長年認知症看護に関わってきた方から、
アドバイスをいただいている。
居室を見たあと、
先ほど見えた共有スペースに案内された。
時間帯は11時台半ばに近づいており、
昼どき間近のせいか、
そこには大勢の高齢者が集まっていた。
何よりも圧倒されたのが、
広い共有スペースにいる方々の8割以上が、
何とおばあちゃんだったこと。
僕が案内されると、
視線が一瞬こちらに向けられ、
その圧になんだかとても緊張し、
また申し訳ない気分になってしまった。
おばあちゃんたちのインパクトは凄かった。
平均寿命は女性のほうが高く87.09歳、
それに比べ男性は短く81.05歳なので、
おばあちゃんが多くて当然であるが、
50~60人以上集まっていると、
ここに妻が入ると浮くだろうと思った。
平均寿命に触れたついでに、
年齢階級による認知症の割合を述べると、
80~84歳では男性13.8%、女性24.2%、
85~89歳では男性35.0%、女性43.9%、
90~94歳では男性49.0%、女性65.1%が
認知症であることがわかっている。
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話を元に戻すと、
僕が圧倒されたように、
おそらく妻も同じ思いをすることだろう。
自ら思うように話せないので、
ストレスになるかもしれない。
従来型の多床室とはいえ、
人数が多すぎるグループ管理は、
施設探しの条件のひとつとして、
検討材料に加えた方がいいかもしれない。
※明日5/19は休載となります。今日の夜遅くに、
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