東城百合子さんのことは、

以前のこのブログで触れたことがある。

今回『「免疫力が高い体」をつくる「自然

を読んでいると、

ちょっと気にかかる文章と出会った。

 

 

“何でも機械まかせにすることに慣れっこに

なると、脳が活性化せず、何もできない、感

謝を忘れた人間になるのです。

「何もやってくれない」「〇〇のせいでこう

なった」と、心も腐っていきます。これでは、

幸せになれる道理がありません。

安易に機械に頼らず、手足をテキパキ動かし、

右脳左脳をフル回転させる生活こそ、人間性

を高める道筋があります。”(東城百合子著

『「免疫力が高い体」をつくる「自然療法」

シンプル生活』より引用)

 

東城さんは、家事の大切さや、

他人のために楽しく仕事をする気持ちを

述べることが多いのだが、

何故この一文が気になったかといえば、

血管性認知症になった母が関係している。

 

去る春分の日、主介護者の父が、

後頭部から背中にかけて筋を痛め、

1日だけ家事をギブアップしたとき、

歩行器頼りの母が、

父に代わって買物に行くと言い出した。

 

ひとりで行くのは無理なので、

僕が代わりに済ました。

母は脳出血の後遺症で家事ができない。

それでも不自由になった右手で、

包丁を扱うことや、食べた皿を洗うことがある。

 

包丁は途中で交代するし、

皿は洗い直しになるのだが、

母は何かをしてもらうことが

“当然”だとは思っていないようで、

必ず「ありがとう」という言葉を添える。

 

 

要介護4の身になり、テキパキはできない。

それでも何かをやろうとするので、

そういう意思がある間は、

デイサービスや施設入所は、

避けたいと僕は考えている。

 

母は集まって歌い体操をするような

老人ホーム的なことが大っ嫌いなうえに、

性格的にも合わないような気がしている。

また入所し何もしなくて良い

「ラクで便利でかんたん」な毎日になると、

認知機能は悪化するだけだろうと思う。

 

自宅では、母なりのできる範囲で、

右脳左脳をフルとはいかないが、

回転させようとする生活ができているからだ。

 

母がいちばん脳をフル回転させているのは、

父のことを動かし、

何かをしてもうときなのだろう。

 

父にとっては大変だが、

介護は父の認知機能の維持に役立っている。

お互いに脳が活性化するのであれば、

ラクな日々よりは良いのかもしれない……。