2/19のブログで書いた勉強会で、

「体力・知力で地域との交流」という

チーム・オレンジ ステップアップ教材

手にし、知見を深めることができた。

だが、この教材に記されたことを

実現に移すのは容易ではないと感じた。

 

だからこそテキストになっているのだが、

認知症の人を孤立をさせないために、

地域との交流をサポートするという

ロジックには、落とし穴があるように思えた。

 

教材では長年そこに住み、

活動を続けてきた地域との交流が、

成立していることが前提となっている。

高齢者対応という教材の性格のためだろう。

 

だが若年性認知症の家族視点では、

地域デビューしていない段階で、

発症してしまう可能性が高いため、

この教材のロジックが、

当てはまらないケースがあり得る。

 

それでも子どもがいる場合には、

幼稚園や学校等での関係を通じて、

PTAやスクールガードなどにより、

地域との繋がりはできるかもしれない。

 

 

ただ電車通学が必要な私立の学校や

うちのような子どもがいない

共働き世帯の場合には当てはまらない。

おひとり様だとなおのことだろう。

 

また賃貸で同じようなDINKS世帯が、

集まっているようなマンションでは、

同じフロアの住民の苗字すらわからない。

個人情報保護でポストにすら名前がない。

回覧板も自治会もないので、

地域どころか賃貸内での関係性すら乏しい。

 

僕が住んでいる賃貸は、

その代表例なのかもしれないが、

教材や行政が唱える

「地域」というワードに接するたび、

若年性認知症の人にとっての

「地域」って何かを考えてしまう。

 

借り暮らし先終の棲家では、

地域とのかかわり方自体が違うので、

交流そのものが生まれないのである。

 

こういった地域の網から漏れた認知症の人や、

若年性認知症の人を炙り出す別のロジックが、

都市部などでは求められていると思った……。