11/21放送の「報道ステーション」で、

『「老い」を防ぐ最新研究の成果』という

テーマを取り上げていた。

 

番組では、老化のメカニズムに取り組む

東京大学医科学研究所の中西 真教授の

「老い」に関する研究を取材していた。

 

インタビューの中で同教授は、

「老化は体の中にたまってくる慢性の炎症

原因と考えられます。例えば老化細胞のよう

な体に炎症を起こすような細胞が蓄積してく

る。それがひとつの原因であると捉えられて

います」と述べていた。

 

このブログでは過去に何度か、

認知症関連の出版物等を通して、

アルツハイマー病の原因について迫ってきた。

そして3つの要因を取り上げた。

①酸化、②低栄養、③(慢性)炎症である。

奇しくも、中西教授の発言からも、

「慢性炎症」というワードが出てきた。

 

炎症だけでなく、酸化は体のサビであり、

老化へと直結するので、

「老い」というテーマは気になるところだ。

 

ずっと紹介しあぐねていた書籍、

『アルツハイマー病研究、失敗の構造』

アルツハイマーの発症に関して、

ことに高齢者の場合には、

老化との関係が触れられていた。

 

 

ピッツバーグ大学医学校神経生物学教授で、

香港科技大学生命科学教授を兼任する、

著者のへラップ博士(元ケース・ウェスタン

・リザーブ大学アルツハイマー病研究センタ

ー・ディレクター)は同書の中で、

アミロイドのみのルートを通ってアルツハ

イマー病の治療薬を追い求めてきたために、

多くの時間を失った。たぶん10~15年は無駄

にしてきただろう。

(中略)アルツハイマー病研究の方向性を修

正するうえで目を向けなくてはいけないのは、

何といっても老化の生物学を研究すること

ある。」(『アルツハイマー病研究、失敗の

構造』より引用)と綴っている。

 

 

前出の東京大学医科学研究所では、

マウスの老化細胞を取り除く研究をしている。

その結果、老齢マウスと除去したマウスでは、

筋力の回復、腎機能の改善等が見られた。

 

老化細胞は高齢者でなくても、

人間には備わっており免疫が排除している。

排除されず蓄積されると、

老化細胞から炎症を発症させる物質が、

放出されることになるという。

これにより慢性炎症が起こってしまう。

 

実験ではどうやってマウスから老化細胞を

取り除いたのだろうか?

老化細胞の中にある酵素GLS 1の働きを

封じてしまうことで細胞を消滅させたという。

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現在は飲み薬を研究中とのことで、

2040年の実装を目指しているという。

中高度のアルツハイマー病に効果のある薬が、

この過程で誕生するかもしれないが、

“無駄にされた10~15年”が恨めしい。

 

 

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