齢を重ねたせいか、

自宅では肉より魚介を好むようになった。

いや元々は魚介のほうが、

好きだったのかもしれない。

妻と暮らすようになってから、

肉食の回数が増えたような気がする。

 

魚介系の食事といえば、

煮魚、焼き魚、刺身など、

和テイストのメニューが思い浮かぶ。

 

国⽴⻑寿医療研究センターが、

東北大学、久留米大学、テクノスルガ・ラボと

協力して行ってきた調査研究によると、

日本食と認知症、腸内細菌との間に、

関連性が見られたという。

 

85人に外来患者を対象に、

認知機能検査、食品摂取アンケート、

検便サンプルにより、

腸内細菌叢のプロファイルを解析し、

日本食スコアを測定した。

 

 

「伝統的日本食スコア(JDI9)」に含まれるのは、

米、味噌、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、

漬物、緑茶、牛肉・豚肉、コーヒーの9品目。

これに大豆・大豆製品、果物、きのこを

3つを加えた「現代的日本食スコア(JDI12)」

分析を試みた。

 

その結果、認知症のない人は、

認知症のある人に比べ日本食スコアが高く、

魚介類やきのこ、大豆、コーヒー

多く摂取していることがわかった。

 

また、これら食品の摂取が多いと、

腸内有害菌の代謝産物である

P-クレドール、インドールの

濃度が低いことが解ったという。

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日本食と認知症の関係について、

東北大学のグループが行った

もうひとつ別の研究がある。

 

1994年に実際された

宮城県の「大崎国保コホート研究」と、

2006年行われた「大崎市市民健康調査」

データの中から3,146人を解析したもの。

 

こちらは上記の9品目から、

コーヒーを除いた8品目(JDI)で、

スコア判定を行った。

 

その結果、JDIのスコアが大きくなるほど、

認知症リスクが低下するという

偶然ではない相関が認められた。

 

また1994年と2006年のスコアを比較し、

日本食スコアが2点以上低下した人は、

喫煙習慣や、歩行時間が少なく高血圧

糖尿病などの既往症がある人が多かった。

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では伝統的な日本食を食べていれば、

手放しで認知症リスクは下がるのだろうか?

実は意外な落とし穴が潜んでいるのだ。

塩分と糖分の問題である。

 

そのなかでも伏兵となるのが糖分で、

肉じゃがや煮物、煮魚など、

日本食には砂糖みりんを使う料理が多い。

 

これをおかずに白米を食べると、

ともにブドウ糖に分解されるので、

砂糖を摂取しているのと変わらなくなる。

 

ブドウ糖は直接糖に分類されるが、

胃から小腸にたどり着き血中に入ると、

一気に血糖値を上昇させ、

インスリンが過剰分泌される。

これは糖尿病へと繋がるリスクを高める。

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糖分過多は成人病など、

慢性的な炎症となり、

アルツハイマーや脳梗塞・脳卒中の

リスクを高めることになる。

 

白米だけでなく、

麺類などの炭水化物でも同様なので、

日本食度合いが高い場合でも、

安心をしないよう気をつけてほしい。