在宅介護者が認知症のBPSDによる

非難・暴言等から追い詰められないために、

僕が大学病院の研究から学んだ

自分でできる回避方法についての続きです。

前回をまだ読んでない方は、

下記をクリックしお読みいただいた方が、

これからの内容が理解をしやすいと思います。

⇩  ⇩  ⇩

 

僕が学んだ方法を書く前に、

当時の状況にちょっとだけ触れておこう。

前回も書いたことと重複するが、

妻の非難・妄言・暴言が激しかったのは、

「アルツハイマー型若年性認知症」診断後、

10~12ヵ月経ったころだった。

(前回、11~13ヵ月と書きましたが、

 カウントを間違えていたので訂正します)

 

妻が50代半ばのころだが、

“認知症の進行を遅らせる”といわれるが、

ようやくメマンチンに落ち着いたのが、

診断から5ヵ月経ったころだった。

 

それまでは薬による副作用と不安から、

過呼吸や痙攣等に見舞われることが続いた。

ようやく落ち着いた時期に、

非難・妄言・暴言の予兆が現れた。

 

この時期は妻の中で考えが、

徐々にまとまらなくなってきたタイミングと

重なっていたのかもしれない。

まだ精神手帳の申請どころか、

介護申請とも程遠い時期の出来事だった。

 

妻が夕食の準備中に帰宅したときに、

それは顕著に現れた。

「おかえり、今日はどうだった?」の

問いかけではじまった日常会話の最中に、

突然怒り出すようなことが起こった。

 

 

鍋やフライパンで火を使っているときに、

話しかけられては危ないとの理由だった。

僕は、妻の問いに答えただけなのに……。

「ごめん」と頭を下げるまで、

妻の怒りが癒えることはなかった。

 

料理の手順がまとまらない怒りは、

を使っているときや、

包丁を使っているときに起こりやすかった。

火傷をする危険指を切る危険と、

妻の不安が直結したからだと、

のちに理解できるようになった。

 

理解できるようになったのは、

大学病院の本体である臨床心理教室

介護家族のためのプログラム

学ぶことができたためだった。

 

このなかに「行動の記録」

つけるというホームワークがある。

・いつ(日時)

・行動(認知症の家族がしたこと)

・そのとき、どう感じたか?

これを書き出すことにより、

見えてくる傾向やパターンがある。

 

そして次の段階では、

それについて「ストレス評価」

加えるというホームワークがある。

 

“ストレスがない”を1とし、

“かなりストレスを感じる”を

9としてセルフ評価をする手法である。

介護のストレスを感じたときに、

・何があったか?

・どんな気持ちになったか?

・そのとき何をしたか?

・何が助けとなり、何がならなかったか?

というようなことを、

2~3週の間、日々続けるワークである。

 

認知症の人だけではなく、

すべての人の行動には目的や、

それを行う理由が存在するわけだが、

上記のホームワークにより、

「行動の原因」が見えてくる場合がある。

 

僕はこのワークを受けることによって、

食事の支度中に起こる

非難・妄言・暴言の理由が見えるようになり、

手短な受け答えで済ますようになった。

 

長くなったので、この続きはまた明日……。

 

(次回に続く)

 

 

※㊤の内容で書きかけたものがチェック漏れで、残った

個所がありました。訂正したものを再アップしています。