新型コロナにかかり、
その後遺症に悩んでいる方が多いと聞く。
若年性認知症の妻は昨年2月に、
オミクロン陽性となって以後、
アルツハイマーの症状が一気に進行し、
再入院となり、いまだ病院にいる。
妻が服用していた抗認知症薬は、
メマンチンを主成分とするメマリーだった。
抗認知症薬は、
進行を遅らせるだけのものなので、
症状が進んだ現在では服用していない。
一方、血管性認知症の母には、
ドネペジルを成分とした
アリセプトが処方されている。
このアリセプトには、
脳内の神経伝達物質・アセチルコリンを
増やす働きがあるため、
新型コロナの後遺症のうち、
強い倦怠感や、
鬱症状に効果が期待されているという。
そしてその治験が先週から始まり、
東京・神奈川・大阪で受付が行われている。
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新型コロナの後遺症と思われる症状には、
倦怠感や鬱のほかにも疲労感、息切れ、
思考力や記憶力への影響などがある。
新型コロナ感染者の1~2割に
後遺症が起こる可能性があるようなので、
気になる症状を抱えている方は、
厚労省のサイト内にある
『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
診療の手引き 別冊罹患後症状の
マネジメント(第2.0版)』が参考になる。
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https://www.mhlw.go.jp/content/001001502.pdf
ところで抗認知症薬ドネペジルが、
新型コロナ後遺症の倦怠感や鬱症状の改善に
効果を発揮する可能性を突き止めたのは、
東京慈恵会医科大学の近藤一博教授で、
このことは昨年7月に報じられていた。
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エーザイが創薬したドネペジルは、
認知症治療薬としては、
効果が“不十分”ということで、
フランスでは2018年8月から、
医療保険適用外となったが、
新たな役割を担い歩み出すことになる……。
のちワイン!
2021 Trentino Cantina Lavis Classic Pino Nero[Ethicawines]
(イタリア/トレンティーノ・アルト・
アディジェ州)
オーストリアと国境を接するイタリア最北端の州の赤ワイン。ブドウ品種のピノ・ネロは、イタリアでの呼び名で、フランスではピノ・ノワールといわれている品種だが、チェリーのような果実味と酸味のバランスが良い上品な1本。ゆっくりと味わいたいワインである。
新型コロナの後遺症改善で注目されたアセチルコリンだが、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤に着目したのが、かつてエーザイの研究員だった杉本八郎博士(現・同志社大生命医科学研究客員教授)であった。
杉本博士が30歳のとき、母親が脳梗塞から認知症を発症した。母親が亡くなる1978年までのおよそ5年間、週に2~3日、仕事帰りに母親のもとに通い2時間ほど一緒に過ごし、その後自宅に帰るという生活を続けたという。アリセプト誕生の裏には、杉本博士のこの介護体験があった……。