昨日は「認知症予防」という
単語の正しい意味をテーマとした。
気になる方は、
下の囲みをクリックしてお読みください。
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今日は昨日のブログを土台に、認知症の
リスクとなる要因について書こう。
リスクが分かれば「予防」に繋がる。
東京都健康長寿医療センター研究所の
鈴木宏幸研究員の講演を
リアルで聴く機会に恵まれた。
このブログでも同機関の講演動画は、
記述内容を裏付けるリンク先として、
過去に使用したことがある。
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その講演の中で、
「認知症の修正可能な危険因子」に
ついてのパネル説明があった。
加齢とともに、
脳内のアミロイドβの沈着は
増えていく傾向にある。
70代を例にとると、
50%に沈着が見られ、
うち10%が認知症を発症している。
高齢の肉親を抱える方だけでなく、
介護者自身の将来のためにも、
認知症発症に繋がるリスクを知ることは、
とても重要なことである。
世界的論文などを掲載する
医学4大誌のひとつLancet誌により、
2017年のアルツハイマー月間に合わせた
認知症の「予防」や、
介入・ケアについての提言がなされた。
その中で国際的調査によって、
9つの危険因子が明らかになっている。
その後、3つの危険因子がさらに追加された。
認知症に繋がる12の危険因子は、
①教育の少なさ(若年期)
②難聴(中年期)
③外傷性脳損傷(中年期)
④高血圧(中年期)
⑤過度のアルコール摂取(中年期)
⑥肥満(中年期)
⑦喫煙(老年期)
⑧鬱(老年期)
⑨社会的孤立(老年期)
⑩大気汚染(老年期)
⑪運動不足・身体不活性(老年期)
⑫糖尿病(老年期)
※中年期=40~64歳 この前後が若年期と老年期。
年代と危険因子が相まっているのだが、
岐阜大学大学院医学系研究科
脳神経内科科学分野のサイトに、
わかりやすい図を見つけたので、
下記URLより、
ご覧いただくと理解しやすいだろう。
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合計で39.7%の危険因子が、
知ることにより修正可能である。
修正の方法等だが、
②の難聴の場合、
補聴器で補うことができる。
またヘッドホン等で、
大きな音量で音楽等を長時間聴き続けると、
将来的に難聴のリスクは高まる。
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科のサイトには、
WHOの調査による
危険な音量レベルが掲載されているが、
難聴にならないための注意も必要である。
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⑤のアルコール摂取については、
週21ユニット以下に抑えるとあるが、
1ユニット=20gでビールだと中瓶1本分、
本ブログのサブテーマのワインだと、
フルボトル1本で72g=3.6ユニットとなる。
厚労省のe-ヘルスネットのページに、
アルコールの種別ごとに換算量が載っている。
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上記以外の④⑥⑦⑪⑫は、
自分の努力や医療的なケア、
スポーツ施設等のサポートで、
リスクを軽減することはできるだろう。
⑩の大気汚染は副流煙を含むので、
喫煙環境を改善することにより、
リスク因子を減らすことができる。
PM2.5などの化学物質になると、
マスクなどを用いるしかない。
如何ともしがたいのは、
①の教育不足と
⑨の社会的孤立である。
①の若年期の教育については、
発展途上国の調査結果が反映されている。
わが国でも「子どもの貧困」による
教育格差が浮上してきている。
⑨は老年期の問題だが、
社会との接触を増やすには、
自助だけでは困難であると思う。
老々介護、⑧の鬱と結びついた場合には、
さらに厳しい状況となり兼ねない。
周囲のサポートだけでなく、
先端技術を取り入れた
社会的な支援システムの
再構築が求められると思った。
のちワイン!
2019 Bordeaux Supérieur
Château La Verrière
(フランス/ボルドー)
1300円前後で買えるボルドーの赤ワインが、このシャトー・ラ・ヴェリエール。ブドウには、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを用い、柔らかい口当たりでバランスの取れたワインに仕上がっている。
ところで、keroぴょんは過度なアルコール摂取にならないよう、自宅ではグラス2~3杯までと決めている。また自宅で飲むビールは、基本はノンアルコールにしている。ブログを週1日休むのと同様、ワインも週1日休むように心掛けている。
血圧の高さを理由に献血を断られたことがあるが、高血圧の薬をずっと拒否していた。だが、1ヵ月ほど前から薬を服用しはじめた。母親が脳出血を原因とした血管性認知症になっているので、遺伝的な面での「予防」でもある。
昨日は「認知症予防」の意味を書いたが、このテーマを書こうと考えたのも、同じ1ヵ月前のこと。目にしたことのある厚労省のサイトが見つからず、この時期になってしまった次第である……。