妻の薬が1種類だけになった。
主治医からは、
「認知症の薬もやめた」
と聞いた。
常用薬はオランザピンだけとなった。
オランザピンは、
最初の入院前に服用していた薬である。
再入院から1か月以上が過ぎた4月下旬、
「薬剤性頸部ジストニア」を
発症した可能性が高いと告げられた。
再入院の前に妻が服用していた薬は、
メマンチン10㎎(認知症薬)、
クエチアピン100㎎(抗精神薬)、
半夏厚朴湯(喉の違和感の漢方薬)、
アセトアミノフェン200㎎(解熱鎮痛薬)、
バルプロ酸Na細粒(抗痙攣薬)、
デエビゴ錠5㎎(睡眠導入薬)、
酸化マグネシウム錠(便秘薬)の7種類。
朝・昼・夕食後と、
就眠前に服用していた。
もちろん、毎回すべてではない。
睡眠導入薬は寝る前だけなど、
1日1回や2回の薬もあった。
再入院の3~4日前から、
「食欲がない」
「これ以上食べたくない」など、
一度口に入れたものを吐き出したり、
受けつけない症状が現れた。
薬も同様で、錠剤は砕き粒状にし、
服薬ゼリーに混ぜて、
何とか飲ませていた。
シュークリームに混ぜたこともあった。
細粒薬はこぼして、
全量飲めないときもあったが、
それでも自宅にいるときには、
服薬には辛うじて成功していた。
しかしながら再入院先では、
口に入れたものを拒んだり、
吐き出したりした。
これが非常に良くなかった……。
(後編に続く)