街なかや公共交通機関などで、
赤地に白十字&ハートのヘルプマークを
見かけることが増えた。
東京都福祉保健局により作成された
ヘルプマークは、
いまや全国区になっており、
若年性を含む認知症の人も
対象となっている。
なぜ認知症のシンボルカラーの
オレンジ色でないかといえば、
内部障害や難病の方をはじめ、
外見から分からなくても、
援助・配慮を必要としている人の
マークだからである。
障害者に関するマークは、
ヘルプマークを含め13種類あるので、
オレンジマークをつくっても
混乱するだけだろう。
ヘルプマークの裏面、
あるいはカードの記入欄には、
困っていることと、
連絡先等が記入できるようになっている。
妻がヘルプマークのお世話になりはじめたのは、
B型就労継続支援施設に通いはじめて、
1~2カ月が経ってからのことだった。
2020年の秋のことである。
女子トイレの中で迷子になり、
持ち物を置き忘れることが
多発し出したためである。
妻は電車に乗ると、すぐに座りたがる。
僕がドア付近に立つのと裏腹である。
だけど、お年寄りや妊婦さんを見かけると、
ちょっと離れた場所でも声をかけ、
サッと譲ってしまうあっぱれ振りである。
僕は声をかけるタイミングが掴めないから、
なるべく座らないのだが、それとは大違い。
そんな妻がヘルプマークをつけ出してから、
席を譲ってもらうことが多くなった。
いままで彼女が譲ってきた分が、
利子として返ってきているような印象。
こういうのを陰徳陽報とか、
善因善果というのだろうか?
いずれにせよ、お互いさまの連鎖である。
僕はといえば、漁夫の利である。
座っている妻の前に立って話していると、
妻の隣の席を譲られることが度々あった。
別の言い方でいえば、
コバンザメかもしれない……。
(情報追記)
ヘルプマークの配布場所などの情報は、
「ヘルプマーク.info」に網羅されています。